こんにちは、MSLABOです。
鳥カゴを蹴飛ばしてきました。はい。25年以上に渡って務めてきた会社を退職したのです。やってしまった・・・かもしれません(汗)。
思い起こせば本当に色々な事がありました。辛かった事や苦しかった思い出も数えきれません。でも楽しかった事や、やりがいが味わえる事もまた沢山ありました。
今までお世話になった人達に退職の挨拶メールを送りました。挨拶メールに丁寧な返信を返してくれる方や、電話でねぎらいの言葉をかけてくれる方がいる一方で、まったく何も返してくれない方も見えます。
もちろん、みなさん忙しい方ばかりですし、こちらも返信など期待していたわけではありません。ですが思わぬ方から期せずして心のこもった返信をいただけると、本当に嬉しくて涙が出る思いでした。
退職する時は、今までの自分の仕事に対する取り組みや、人への接し方が如実に評価される瞬間でもあります。
人は死ぬときに誰が泣いてくれるかで、その人の人生の価値がわかると言いますが、退職する時も同じなのではないかと思います。
ねぎらいの言葉を頂けなかった人がいたという事は、サラリーマン時代の自分の「人への接し方」や「仕事への取り組み方」に問題があった事を示しているとも言え、反省させられる思いがします。
家庭がある「中年のオジサン」が、先のあてもなく会社を辞める事は、ハッキリ言って無謀です。
怖くて、不安で、たまりません。退職する際に同僚から「勇気があるね」と言われましたが、私はそんな人達に「会社に残れる人は、それはそれで才能があると思いますよ」と返していました。
会社にいると、いろいろと我慢をする事が沢山あります。意味がわからない仕事もいっぱいです。でも、そこで自分の思いと会社の命令のバランスを取り、うまく渡っていけるのは才能だと思うのです。
私は不器用だったので、どうにも上手くは行きませんでしたが・・・。
偉人達も会社を辞める事には恐怖を感じたようです。
『会社を辞めたときの恐怖は、今も続いていますよ。収入がなくなるのではという、断崖の下をのぞくような恐怖です。でも、この恐怖は、付き合っていかないといけない恐怖なんです』
勝谷 誠彦:コラムニスト
私は散々悩んだ挙句に自らが決断して退職したので、後悔はありません。また自分で言うのもなんですが、先が見えない恐怖はありますが不思議とサッパリとした気分です。
いまの気持ちを例えるなら、中世の船乗りに近いかもしれません。大航海時代といわれる時代の船乗りです。コロンブス(1451?-1506)やバスコ・ダ・ガマ(1469?-1524)とまでは言いませんが、未知の大海に挑む前の不安と不思議なワクワク感に似たものがあります。
クリストファー・コロンブス | ヴァスコ・ダ・ガマ |
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(画像URL:共にWikiより)
ところで中世以前の船乗りたちが、どのように航海をしていたかをご存知でしょうか?。
何も目印がない海の上では、船の位置を正確に知ることが大切となります。羅針盤が本格的に活用される以前は、船の位置を見失わないように陸地の海岸線に沿って航海する「沿岸航行」が中心でした。
海岸線を回るとはいえ、その航海は安全とは程遠いもので、まさに命がけの冒険だったようです。
当時の探検家達が使ったキャラック型やキャラベル型といわれる帆船には、1隻に100名前後の船乗りが乗船できたそうです。しかし栄養に対する知識や衛生に関する配慮が極端に乏しかったため、沢山の病死者が出ました。
バスコ・ダ・ガマはアフリカ大陸を沿岸線沿いに南下し、アフリカ最南端の喜望峰を経てインドに到達しました。しかし出発した際に147名いた船員のうち、生きて帰国した者は55名しかいなかったと言われています。(参考URL:Wiki ヴァスコ・ダ・ガマ 記事様)
既に地球が丸いという事はわかっていたそうです。しかし船乗りたちの間では「地球はまっ平らで、端っこに行くと断崖絶壁になっていて、落ちてしまう」と信じている人も多く、陸地を離れて航海するには、大変な勇気が必要だったようです。
(画像URL:ZAPZAP! 様)
また海の向こうには、不思議な生物や怪物が住んでいて、人を襲うと信じられていました。中世の世界地図に人魚や怪物が描かれているのを、みなさんもご覧になったことがあるのではないでしょうか?。
(画像URL:Wiki クラーケン記事 様)
そんな中、従来の冒険家と同じように陸地沿いにインドを目指すのではなく、地球は丸いのだからヨーロッパから西へ向かって突き進めば、インドに到達できる筈だと考える男がいました。
彼の名はクリストファー・コロンブス。何もない未知の海へ向かって船を出す決断をしたのです。
「答えはすでにあなたの心の中にある:(著)ロビン・シャーマ、(訳)北澤 和彦:ダイヤモンド社」でロビンはコロンブスを引き合いに出して次のように書いています。
「コロンブス以前の全ての冒険家達は、陸を視野に入れながら岸の近くを航海した。(中略)(だが)コロンブスはあえて違う道を選んだ。(中略)危険を冒し、岸と直角に船を進めたんだ」。
そしてこう続けます。「未知に向かって船を出す勇気をもっていたから、彼は最高の英雄の1人になれた」。
コロンブスについては、到達した島々で、原住民やネイティブアメリカンの人達を大量に虐殺したという負の歴史があります。いまでもネイティブアメリカンの人達などから根強い非難を浴びる事があるようです。
彼の新大陸での所業は残念なものでしたが、それまでの陸地沿いの航法を採用せずに、大胆にも未知の領域に向かって船を進めたのは事実です。
『今のままでも、いいんだ。と、私たちは、どうしても現状維持になりやすい。未知の世界は不安です。しかし、人生のロマンを求めるならば、勇気を出して新しいチャンスをつかむ事です。』
鈴木 清一:ダスキン創業者
でも、私はそれでも良いと思うのです。会社という大きな陸地沿いに航海をしながら、インドを目指すのも手だからです。そんな方はきっとバスコ・ダ・ガマになれます(笑)。
私のように未知の海を行くのも良いでしょう。そんな人はきっとコロンブスになれます。
どちらの航海であっても危険はつきものです。生きて帰ることができれば御の字。ましてや新大陸やインドに到着できたなら、英雄です。
『船は、港にいれば安全だが、それでは船の用をなさない。』
ジョン・メイナード・ケインズ:経済学者
偉人が言うように、一番いけていないのは「航海したい」とつぶやきながら町の酒場でグダを巻き、今日も船を港から動かそうとしない人ではないでしょうか?。
あなたの船はどうですか?。誰しもが自分という船の船長です。あなたと私によい風がふき、航海が実りあるものになる事を祈っています。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:人生は航海。未知なる海の彼方を目指せ!
今日の箴言:
勝谷 誠彦:コラムニスト
鈴木 清一:ダスキン創業者
ジョン・メイナード・ケインズ:経済学者
今日の書籍:答えはすでにあなたの心の中にある:(著)ロビン・シャーマ、(訳)北澤 和彦:ダイヤモンド社
今日の写真:photo-AC 様:Kazuyakoさん