ウサギは何故負けたのか?

こんにちは、MSLABOです。

ウサギとカメ」のお話はご存知ですか?。超有名な話ですから、きっとご存知ですよね。実は、「ウサギとカメ」の話には後日談があるそうなんです。知ってましたか?。

「ウサギとカメ」の話は、細かな差異はあるものの、だいたい以下の様な内容だったと思います。

  1. ウサギは自分の足が早い事が自慢だった
  2. 足が遅くノロノロ歩くカメを馬鹿にし、カメと山の麓(ふもと)まで競争する事にした
  3. ウサギは猛ダッシュ。カメを大きく引き離す
  4. ウサギは途中でカメとの大差に安心し一休憩。ついウトウト居眠りしてしまう
  5. カメはモクモクと歩き続け、いつしかウサギを追い越してゴールする
  6. ハっと目覚めたウサギが、あわてて走ったが後の祭り。勝利者はカメとなった

油断大敵。コツコツ地道に努力しなさい」というような内容ですね。

この話についてWikiなどを調べると、「負けウサギ」というカメに負けたウサギに関する後日談があるのだとか。

「負けウサギ」では

  1. ウサギはカメに負けて、仲間に馬鹿にされ、仲間はずれになる
  2. ある時、ウサギの村をオオカミが狙っている事を知る
  3. ウサギは知恵を出し、オオカミを崖の近くまでおびき寄せて、崖からオオカミを落として村を救う
  4. ウサギは村の英雄として、再び仲間に迎え入れられる

という話なのだそうです。ウサギさん、名誉挽回ですw。

ところで、「なぜ、ウサギはカメに負けた」のでしょうか?。

これには色々な解釈があるようですが、私が気に入っている解釈が「仕事の答えは、すべて「童話」が教えてくれる。:千田 琢哉:朝日新聞出版」に掲載されています。千田さん曰く、「ウサギは走る前から、実はカメに負けていた」のだとか。どういう事でしょうか?。

千田さんは、ウサギとカメの「競争する理由=お互い、何が目的で走るのか?」に注目します。

ウサギが走る目的は、ズバリ「カメに勝つ事」です。カメに圧勝し、自分の足の早さを自慢し、カメを見下したいといった所でしょうか。

ウサギの目線は常にカメを見ています。カメと自分を比較して、自分の優位を確認したいのです。同じウサギを競争相手に選ぶのではなく、圧倒的に自分が有利なカメと自分比較することで、自己満足したいのです。その時点で、ウサギには「実は自分に自信がない」というコンプレックスが見え隠れします。

一方カメの目的は何でしょうか?。

どう考えても、足の早さではカメはウサギに勝てません。そんな事は走る前からカメにも十分わかっている筈です。カメは単に無謀だったのでしょうか?。それとも自暴自棄になり、アキラメめの境地にでも立っていたのでしょうか?。

千田さんの解釈はこうです。「カメはウサギに勝ちたい気持ちよりも、とにかく山の麓へゴールする事が目的だった」。つまりカメはウサギではなくゴールを見ていました。自分と他人を比べて自己嫌悪するのではなく、とにかくゴールしたいと。だからカメは「途中で投げ出したくなる自分自身と競争」していたのです。

この目的の違いは、ウサギがカメを追い越して大差をつけた時点で、大いに影響を及ぼします。

カメを追い越し勝つ事が目的だったウサギは、目的が容易く達成された事で安心してしまうのです。つまりその時点で走る目的を見失ってしまうわけです。

一方カメは追い越されても、大差が開いても、そもそも「歩き続けてゴールする」ことが目標ですので、ウサギの事は気にしません。ウサギに追い越されても、またウサギに追いついても、モクモクと歩き続けるのです。

よく有名大学に合格する、医者や弁護士になる、大企業に就職するなど大きな目標を掲げてがんばっていた人が、目的が達成された後に「燃え尽き症候群」になると言います。そんな彼らは、まさに「ウサギ」の例と同じなのではないでしょうか?。

一方、医者になる事が目的ではなく「人を救う事」が目的。有名大学や大企業に就職する事が目的ではなく「そこで学んだり、活躍する事」が目的の人はカメタイプです。目的の設定がウサギさんとは異なりますので、燃え尽き症候群になる事はありません。

千田さんは言います。
ないものねだりをしないで、分相応に自分の力を出し切る。(中略)夢を叶える人はライバルが自分自身しかいない。だから、いつも競争率が1.0倍だ」。

他人が競争相手で比較相手のウサギは、強力なライバルが登場すればするほど、ピンチになります

足の早い犬や、ダチョウが「俺も参加するぜ」と言ってきた途端、勝利が怪しくなります。ウサギの勝利は「他人に勝つこと」だからです。でもカメは違います。例えチーターが競争相手になろうが、カメにとっての勝利は「自分に勝つこと」なので問題ありません。あきらめなければ、いつか必ず目的を達成します


『もっとも偉大な能力とは、自分自身に打ち克つ能力である』

稲盛 和夫:京セラ・第二電電(KDDI)創業者

実業家として成功し多くの名言を残す稲盛さんの言葉は、千田さんのウサギとカメの解釈と同じものですね。

また目標の立て方については、こんな言葉もあります。


『月を目指しなさい。たとえ辿り着けなくても、どこかの星に着陸するだろう。』

レス・ブラウン:アメリカの作家

他人に勝てば良いなどという小さな目標ではなく、壮大な志を立てて努力する。当初の目的地にはたどり着けなくとも、大きな目標に向かう努力により、結果的に素晴らしい高みに到達できるとブラウンは言います。

目標を高くもち、自分自身と競争する。怠けたい自分に勝つ。そんな事を学ばせていただきました。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


今日の学び:競争相手は昨日の自分。昨日の自分を超えてゆけ!
今日の箴言:

  • 稲盛 和夫:京セラ・第二電電(KDDI)創業者
  • レス・ブラウン:アメリカの作家

今日の書籍:仕事の答えは、すべて「童話」が教えてくれる。:千田 琢哉:朝日新聞出版
今日の写真:東海大学北海道キャンパス硬式野球部 様
いつか書く:

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