こんにちは、MSLABOです。
私などは中年真っ盛りのオジサマですが、年を取るとついつい「年は取りたくない」とか「若い人はうらやましい」と感じます。
若いと
- 知識の吸収が早いし、記憶力も優れている
- 意欲が湧きやすい
- なんといっても体力があり、行動する事ができる
- 背負うものが少ないので、思い切りが良い(ムチャできる)
- 素直に笑ったり、泣いたり、喜んだり、悲しむことができる
など、沢山のメリットがあるように思います。
ええ、そうですとも。オジサマは若い女性が大好きです(笑)。
「20代(あるいは10代)の頃に戻りたい」
「もう一度、青春時代に戻れたら・・・」
と嘆く中高年は(私も含めて・・・汗)すぐに思いつきますが、「早く60歳になりたい」とか「老人最高!。もっと年を取りたい」などと言う人は、あまり見かけたことがありません(笑)。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州にあるブランダイス大学で社会心理学を教えていたモリー・シュワルツ教授は、自分の死に際し、彼を最も愛し、その教えを受けたミッチ・アルボムに最後の授業を行います。
ブランダイス大学 |
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いま正に難病によって死の床にある78歳の老教授と、大学を卒業し37歳を迎えて、新進気鋭の売れっ子スポーツライターになっていたミッチの「奇妙な最後の授業」の様子を、ノンフィクションとしてまとめた本「モリー先生との火曜日:ミッチ・アルボム(著)、別宮 貞徳(訳):NHK出版」を読みました。
ミッチはモリーに、「死ぬこと、老いること、家族、恐れ、欲望、人生の意義」などについて率直な質問をし、モリーの深淵で思慮深い考えを学びます。(以下、要約して書きます)
ミッチはモリーに問います。
「僕は老いることが怖いです。社会では若いことが価値ある事のように言われ、自分が年をとって人生の下り坂にいる事を意識すると、怖くなるのです」
モリーの答えは、こうです。
「そんな風に若さに重きを置くのは感心しないな。私は若者が時としてずいぶん不幸な事を見てきたし、知っている。また若者は賢明さに欠ける。人生に対する理解が全く足りないんだよ」
そしてこう言うのです。
「私は老化を ありがたく受け入れる。老化はただの衰弱じゃない。成長なんだ」
ミッチは食い下がります。
「老化に価値があるなら、なぜ多くの人が「若返りたい」などと言うのでしょうか?。65歳になりたい なんて聞いたことないですよね?」
それだ!っと私も本を読みながら、心のなかでミッチと同じ質問をモリー先生にしていましたw。
モリーは言います。
「それはね、人生に満足していないからだよ。満たされていない。人生の意義を見出していない。」
「だってね、人生に意義を認めていたら、逆戻りしたいと思わないだろう?。先へ進みたいと思う。もっと見たい、もっとやりたいと思う。65歳が待ち遠しくてたまらない筈さ。これはぜひ知っておいてほしい。若い人はみな知っておいてほしい。年をとならいでおこうと、いつも闘ってばかりいると、いつまでも幸せにはなれないよ」
ズキッと、核心を突かれた思いがしました。
これまでの人生に満足していない。後悔している。だからこそ、もう一度やり直せたらと考えてしまう・・・・。返す言葉がありませんでした。
「どうして、うらやまずに いられるのですか?」と問うミッチに、モリーは答えます。
「自分の人生の良い所、本当のところ、美しいところを見つけなければいけない。昔を振り返ると「負けるものか」と張り合う気持ちになるが、年齢は勝ち負けの問題じゃない。」
そして、こう述べるのです。
「私の中には「全ての年齢の自分」が混じり合っているんだよ。3歳の自分、5歳の自分、37歳の自分、50歳の自分・・・・。その全てを経験し、どんなものだか良くわかっている。必要があれば、何歳の頃の自分にだって戻れる。私はこの年までの どんな年齢の自分でもある。わかるかい?」
この話を読んで、登山を思い出しました。
一番下から始まって、よいしょよいしょと3合目までいく。次は5合目で、その次は7合目。
登れば登るほど、空気は澄みわたり景色は開けて、別世界が顔をのぞかせます。
山頂付近の絶景と素晴らしさを十分に味わい、今まで苦労して登ってきた事に思いをはせることができる人は、もう一度3合目から登り直したいとは思いませんよね。
- まだ上に行けそうだ
- この先は、どんな景色が広がっているのか
- 山頂から眺める日の出や雲海は素晴らしいに違いない
と希望を持つ筈です。
『若いことは素晴らしいことだが、成熟して経験豊かだというのもそれに劣らず望ましいことである』
バーナード・バルーク:投資家、元大統領顧問
偉人の言葉に、モリー教授と同じ教えを感じます。
今の年齢を味わい尽くす。今の年齢でしか見えない事、できない事を行う。
という偉人の言葉があります。
50歳になったとき40代に戻りたいと思わないように。
60歳になったとき50代に戻りたいと思わないように。
老いた若者(中年)にならないように、今日という日を全力で味わいたいと思わせていただきました。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
- バーナード・バルーク:投資家、元大統領顧問
- ヘルマン・ヘッセ:ドイツの小説家
- ベンジャミン・フランクリン:政治家
今日の書籍:モリー先生との火曜日:ミッチ・アルボム(著)、別宮 貞徳(訳):NHK出版
今日の写真:lllust AC 様: シグ子さん