こんにちは、MSLABOです。
地球上には、生物が住むとはとても考えられないような過酷な環境でちゃっかり生きている生き物が沢山いるそうです。今回は生物学の准教授 長沼 毅さんが書いた「死なないやつら:長沼 毅:講談社」を元に、生命の神秘について考えていきたいと思います。
生命・・・神秘的な言葉ですよね?。私にもあなたにも確かに生命があり生きていますが、目の前にあるパソコン君は、いくら萌えなソフトや人工知能を搭載しようとも「生命を宿した状態」にはなりません。(誰ですか、パソコンが可愛い女の子に変身したらいいのにとか思って、恥ずかしい名前をつけたりしているのは!?w。)
近年、長沼さんたちのような学者の努力により、到底生命が存在できそうにもない環境でも、生きている生物が数多く発見されています。有名なのが深海にある火山やマグマの噴出口近くで120度の水温と高い水圧に耐えて生きているバクテリア(正確にはアーキアというようです)が発見されたことでしょうか?。
長沼さんは深海調査艇(しんかい6500など)で深い海に潜ったりもするそうですが、私なんかは深海などの高い水圧下では「何でもペッチャンコ」になるものだと思い込んでいました。例えば下の左写真はカップラーメンの容器ですが、一番左が通常のサイズ(地上1気圧でのサイズ)で一番右端が深海6000メートル相当(600気圧)下で潰された状態のものだそうです。
カップラーメン | しんかい6500 |
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カップラーメンの様子をみて、「あれ?、上からグシャって感じじゃないんだ」と、またまた無知をさらけ出しました(汗)。深海では物体の周囲360度から圧力がほぼ均等にかかるので、まっ平らに潰れるというよりは、四方八方からギュギュッと圧縮されたような感じになるのですね。
ちなみに「しんかい6500」では、乗員が搭乗する直径2メートルあまりの球状の入れ物はチタン合金でできており、高い圧力に耐えることができるのだそうです。
チタン合金が潰れないのは「硬い」からだとは思うのですが、潰れるかそうでないかは硬さよりも物体の中に潰れる要素(空気)が沢山含まれているかどうかに関わるのだそうです。だから豆腐やコンニャクは手で握っただけでも潰れますが、360度から均等に圧力がかかる深海では、豆腐やコンニャクの中に潰れる要素である空気が少ない為、カップラーメンのようには潰れないのだとか・・・意外でした。(よくよく考えれば、深海魚が潰れないのは、そういう訳なのですね・・・深海魚がチタン合金でできているわけじゃないですもんねw)
長沼さんの本でも書かれていますが、生命の進化に関してはダーウィンの進化論が有名です。ざっくり大まかに言えば、ダーウィンの進化論では生物の生存競争を「自然淘汰」と「突然変異」として取り上げて、「種内の競争により、より自然環境に適合したものが生き残る」ものとされました。「種間」ではなく「種内」です。犬とネコが競争してどちらが有利か不利かではなくて、同じ犬同士でどの犬が生き残るかという競争なのです。
だから同種内のすべての個体は敵同士であり、より利己的なものが優位に勝ち残るものだと考えられたのです。限られた食料を得るのに、同一種内でより強い、より早い、より体力がある等の個体が有利であり、結果的にそのような個体が生き残り子孫を残すのだと。
ところが近年、集団遺伝学と呼ばれる新しい学問によって、この考え方が見直されてきたのだそうです。それは利己的ではなく利他的な行動を見せる個体の方が、より多くの子孫を残せることがわかってきたからなのだとか。特に集団生活を営む動物では、利他的な集団の方が生き残る可能性が高まるといいます。そういえば以前の記事「思いやりは生き残る力」でネアンデルタール人とクロマニヨン人について似た話を書きましたが、どうやら生物学の分野でも同じ結論に至っているようです。事実、厳しい環境に暮らす動物では利他的な行動をとるものが観察されているのだとか。
パソコンが自分の仲間を思いやったりする事はありません。利他を思う心が、それを生命として優位なものにしているのですね。他人を思いやる事が結局は自分にも有利に働く。あらためて勉強になりました。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び: 利己的ではなく利他的な行動をすべし!
今日の箴言:
今日の書籍: 死なないやつら:長沼 毅(講談社)
今日の写真:
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