こんにちは、MSLABOです。
仕事はお金儲けの為にやる。フリーランスは、仕事の報酬が自分の年収に直結します。だから少しでもラクに、効率よく、儲かる仕事がしたい・・・。そんな誘惑に駆られる事があります(汗)。
今日のポイント
安全確実に儲ける?
フリーランスにとって、安定した収入は望めません。不安定な収入。おまけにサラリーマンのように、イザという時に自分を守ってくれるものは何もありません。
不安が募ると、安定した収入や、確実で効率の良い仕事、少しでもラクをして稼ぐことに流されてしまいそうになります。
ですが、効率よく儲けたい、ラクに稼ぎたい・・・これは何もフリーランスに限った話ではありませんよね。企業のサラリーマンだって一緒です。
私は大企業のサラリーマンをしていました。私の所属していた会社では「儲からない事は、やらない」というのが当たり前でした。そして、やるからには「必ず利益を出せ!」というのが、常識でした。
予算という名の「確定事項」が1人歩きし、赤字は言うに及ばず、黒字であっても説明を求められます。「なぜ予定通りじゃないのか!」というわけです。
そして、確実な利益を得るために、社内には沢山の規則や手順が設けられていました。まるで、その手順通りにやれば、大きく失敗しないとでも言わんばかりです。
安全に、確実に、予定通りに。極論を言えば、社員には素直に、従順に、良し悪しを考えずに従う事が求められていました。
儲けるものは、お金なのか?
夢とお金について、「思うは招く:植松 努:宝島社」で植松さんが面白い事を書かれています。
ちなみに植松さんは「植松電機」の専務取締役です。植松電機は世界に名だたる大企業・・・などではなく、北海道にある社員18名前後の零細企業です。
でも零細企業だからと言って、バカにしてはいけません。彼らは北海道大学と協力して、ロケットや人工衛星を開発し、宇宙にまで飛ばしているのです。(参考URL:株式会社 植松電機 研究・開発サイト 様)
宇宙開発は、植松電機の「儲ける仕事」とは直接関係がありません。なぜなら、本業はリサイクル業者が使うマグネット機械の製造販売業だからです(笑)。つまり植松電機は「儲からない仕事を一生懸命やっている」会社という事になります(汗)。
だから植松さんは、宇宙開発事業について「そんな研究ばかりやっていて、儲かるの?」と良く聞かれるそうです。
(画像URL:photo-AC 様:紺色らいおんさん)
当然ですよね。儲からない事業に、他で稼いだお金をドンドン投入する。そんな事するくらいなら、本業を大きくするなり、従業員の給料を上げてやれよ!というのが、普通の考え方でしょう。
そんな問いかけに、植松さんは、こう答えるのだそうです。「なんで儲からないと、いけないのですか?」。・・・グハ・・・凄いです(笑)。
植松電機にとって、宇宙開発は未知の領域です。未知だからこそ、失敗します。いっぱい調べて、たくさん苦労して、当たって砕ける勢いで取り組むしかありません。
しかし未知の領域であるが故に、そこで得た知識や経験は「全てが成長につながる」のだと言います。
そこで得た知識や経験が、直接本業に活かせるとは限らない。だけど社員のヤル気を育てることができます。また本業だけでは知り合えなかった、学者や技術者と交流が持てて、そんな人とのつながりから、予想もしなかった仕事が得られる事もあるそうです。
「僕は、新しい仕事をするときに、「経験値が儲かる」仕事をするようにしています。(中略)目先のキャッシュで考えたら損ですが、でも僕は損をしません。なぜなら、経験を得るからです」。植松さんは、こう書かれています。
また「成功すること」について、著書の中で次のように述べられています。
「僕は、成功って「必要とされること」だと思っています。(中略)「成功する」を「必要とされる」に置き換えてみたら、それだけで目標が少し変わってくるかもしれません。」。
思わず「そうか!」と納得してしまいました。
なぜなら、私達が「成功する」と聞いて思いつく
- お金持ちになる事も
- 有名になる事も
- 異性にモテる事(笑)だって
「人の役に立つこと。必要とされること」だと言えるからです。
- 必要とされる⇒仕事の依頼がある⇒仕事をする⇒お金になる
- 必要とされる⇒頑張る⇒沢山の人に喜んでもらう⇒有名になる
- 必要とされる⇒期待に答える⇒頼りになると思われる⇒モテる
みんな「必要とされる」ことがベースになっています。
『別にゴールデンタイムみたいな仕事だけが偉いんやないんです。小さな世界でも、そこで必要とされることに意味がある。そこから始まっていくんですよ』
笑福亭 鶴瓶:落語家
必要とされる際、「何をすればいいですか?」と指示待ちになる事があります。しかし、いつも「何をすればいいですか?」と受け身な態度でいると、人に利用されて終わってしまうかもしれません。
そうではなく、「私は、これが出来る。これなら役に立てる」と宣言できるようになる。
そんな宣言ができる知識や技能を増やしていく事が重要で、それこそが「学び」の本質だと、植松さんは書かれています。そうすれば「出来ること=(他人と自分に)役立つネタ」が増え、夢を叶える力になるというわけです。
経験したことが無いことをすれば、失敗します。恥をかきます。損もします。目先の利益は得られないかもしれなせん。ですが、お金には代えがたい貴重なモノを得ることができます。
昔クレジットカード会社の宣伝で、「お金で買えない価値がある。買えるものはXXXカードで」というのがありました。まさに、お金で買えないプライスレスなものが、価値をもっていると植松さんは指摘をされているのです。
(画像URL:illust-AC 様:ゑびすさん)
未知に挑む
先日、とある新年会に出席してきました。それはIT技術者専門の人材派遣会社が開催する新年会で、会場には沢山のフリーランスエンジニアが来ていました。
何人かの人と、お酒を飲みながら楽しく立ち話をさせて頂きました。さすがは一騎当千の世界です。フリーランスとして長年仕事をしている人からは、独特の「凄み」を感じます。
その中の1人。まるで新谷かおるさんの漫画に登場する風間 真のような鋭さをもった(笑)フリーランサーが語ってくれた内容が印象的でした。
(画像URL:amazon エリア88 13巻紹介 より)
彼は次のような話をしてくれました。
「新しい仕事、未経験な仕事を断る人がよくいるけど、ちょっともったいないよね。未経験な事を経験させてもらって、お金がもらえる。そんな仕事は金額によらずに、積極的にこなしていくべきだ」。
また彼はこうも言っていました。
「プロとして仕事を受けるんだ。どれだけ満足してもらえるか、次も声を掛けてもらえるかを大事にしたいね。それがプロの誇りだよ」。
言い換えるなら、「人に必要とされる存在、そのような仕事をする人でありなさい」という事でしょう。それが長年フリーランサーを続けるコツだと言うのです。
未知の領域では、それまでのマニュアルや方法は参考になりません。そこでは、積極的に調べたり、考えたり、工夫する事が求められます。安全に、確実に、予定通りに物事が進む事は無いわけです。
『人生は、解決すべき問題でも、答えるべき質問でもない。人生とは、経験するべき未知なのだ』
アラン・ワッツ:哲学者
失敗上等!。フリーランサーになったからには、目先の利益に振り回されずに、知識や経験という報酬を大切にしたい。そして、いろいろな事で人の役に立てる自分でありたい。
植松さんの本と、フリーランスが参加する新年会からは、そんな事を学ばせて頂きました。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:知識と経験の引き出しを増やせ!
今日の箴言:
笑福亭 鶴瓶:落語家
アラン・ワッツ:哲学者
今日の書籍:思うは招く:植松 努:宝島社
今日の写真:photo-AC 様:acworksさん