考えるな、感じろ!

こんにちは、MSLABOです。

「遊んでいないで、ちゃんと勉強しなさい」、「これは君のために言っているんだよ」、「XXXしないと今に大変な事になるよ」。自分の子供や恋人、奥様や亭主、あるいは同僚にこんな言葉をかける事はありませんか?。

心配してる?私は・・・ありますね(汗)。

子供に「遊んでいないで、ちゃんと勉強しなさい」と言葉をかける場合。そんな言葉をかけるのは大抵その子の親か教師です。もちろん親や教師は「子供のことを心配して」言葉をかけています。

会社で業績がぱっとしない同僚や部下に「最近なんだか、イマイチじゃないか。しっかりしろよ」なんて苦言を言うことがあります。多くの場合、上司や同僚が「部下の事を心配して」言っている筈です。

「XXXを信じなさい。さもないと、今に大変な事になりますよ」なんていうのは、インチキくさい予言本や新興宗教の教祖さまが、「読者や信者を心配して(?)」言いそうなセリフです(笑)。

でも、ちょっとまってください。それって、本当に相手のことを心配して言っているのでしょうか・・・

もちろん、心配する気持ちや相手を思う心が全然無いとは言いません。しかし、上記のようなセリフには、相手のことを思う気持ちだけではなくて、自分本位な気持ちが隠れているというのです。

どういう事でしょう?。

例えば子供に「遊んでいないで勉強しなさい」と声をかける場合。そんな声をかけても子供が言うことを聞かずに、相変わらず遊んでいたとしたら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか。「なんで大人の言うことが聞けないの!」と腹を立てないでしょうか?

あるいは部下に「しっかりしろよ」と指導したにも関わらず、部下の成績が伸びない場合はどうでしょう。「あいつ、俺の言ったことがわかっているのか」と怒りを覚えませんか?

3つの真実 人生を変える”愛と幸せと豊かさの秘密”:野口 嘉則:ビジネス社」によれば、人の行動の動機(原因)は、おおまかに「愛」と「恐れ」に分けられるのだそうです。

愛と怖れ」とは、相手のことを考えたり、思いやる心です。相手が喜ぶことがしたい。相手の幸福を願っているといった気持ち。相手の感じ方や個性を尊重する態度です。あるいは自分を大切に思う。自分の事を価値ある存在だと認める自己愛も愛に分類されます。

それでは「恐れ」とはなんでしょうか。

この場合の恐れとは「自分自身が不利益になる事」への恐れ。自分が無視されたりバカにされていると思う事。あるいは生命、財産、生活などの安定が脅かされるという思いです。

子供に「遊んでいないで、ちゃんと勉強しなさい」と注意をする場合、その人の心の中にはどんな気持ちがあるでしょうか?。

子供の将来を心配している
子供の幸福を願っている
という愛がある一方で

子供が良い学校に行けなかったら学費がかかる
子供の成績が伸びないと、担当教師としてメンツが立たない
親として尊敬されていない。あるいは軽く見られている
という恐れはないでしょうか?。

部下を指導する場合でも同様です。
部下の将来を心配している
部下に活躍して欲しい
という愛がある一方で

部下の成績が悪いと自分の評価も下がる
会社や組織の目標が達成できず、給料が上がらないので自分が困る
先輩や同僚として尊敬されていない。無視されているのではないか
という恐れはないでしょうか?。

だから「自分の恐れ」を刺激する相手の態度に出会うと、不安になり、ついつい「恐れ」に突き動かされて行動してしまいます。恐れを回避するために、怒るという手段を使って相手を自分の思い通りに動かそうとします

『カッとなって自分を見失い怒鳴った、のではない。相手を「支配」するために「怒り」という感情を創りだして利用したのだ』
アルフレッド・アドラー アルフレッド・アドラー:心理学者

だから相手が自分の思い通りに動かないと、怒りを覚えるのです。

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illust-AC 様:クラインさん)

「なんで私の事を理解してくれないの」とか「俺のことをバカにしているのか」といった怒りを覚え、イライラしてしまうんですね。

『君は山を呼び寄せる男だ。呼び寄せて来ないと怒る男だ。地団駄(じだんだ)を踏んで口惜(くや)しがる男だ。そうして山を悪く批判する事だけを考える男だ。何故(なぜ)山の方へ歩いて行かないのか?』
夏目 漱石 夏目 漱石:文豪、小説家

相手のほうが立場が上だったり、相手が不特定多数の場合は、怒るという手段が使えません。こんな場合は、自分の立場が悪くならないように周りの「空気」を読んで行動したり、無理に我慢したり、逃げ出すという手段をとる事もあります

恐れを手放すそれでは、「恐れ」による行動を手放し「愛」によって行動するには、どうしたら良いのでしょう?。野口さんによれば「恐れに支配されないためには、まず自分の中にある恐れを認める事、恐れに気がつく事」が大切なのだとか。

「俺は全然恐れてなんかいない」と逃げていたのでは、いつまでたっても恐れによって行動してしまいます。そうではなくて、自分の中に「恐れ」がある事を認める。野口さんによれば「恐れる気持ち」がある事は、恥でもなんでもなくて、ごく自然な事なのだそうです。

問題は「恐れがある事」ではなくて、「恐れ」に心を支配されてしまう事。心を恐れに支配されないためには、自分の中に恐れがある事を認めることから始めなければいけません。

RPGだって、魔王に支配された世界を良くするためには、まずは「魔王が存在している」事を認めなければ、冒険さえ始まりませんよね(笑)。

頭じゃなくて心でだから自分の言うとおりに動いてくれない相手に怒りを覚えた時がチャンスです。「あれ、なんで俺怒っているんだっけ?」と感じてみましょう。この時、原因を相手に求めない事がポイントです。

「あいつが悪いから、怒れるんだ!」と、それが事実であっても相手のセイにしていたのでは、自分の中にある「恐れ」に気がつくことができません。

そうではなくて怒りたくなったのは何故なのか、その時の自分がどんな気持ちだったのかを「感じる事」が大切なのだそうです。

『考えるな。感じろ!(Don’t Think. Feel!)』
ブルース・リー ブルース・リー:俳優(映画「燃えよドラゴン」のセリフより)

上記は映画の中で、カンフーの修行をする少年に、ブルース・リーが言う言葉です。

映画の中では上記のセリフに続けて、こんな会話がかわされます。

「It is like a finger pointing away to the moon. (それは月を指さすのと似たようなものだ。)Don’t consentrate on the finger,or you will miss all that heavenly glory. (指に集中するんじゃない、さもないとその先の栄光が得られないぞ)」

こんど怒りたくなったら、怒りの元となった「恐れ」を感じてみましょう。「寂しい」とか「悲しい」といった自分の気持ちを認めてあげる。そうする事で、はじめて相手の気持ちにも配慮をする事ができるようになります。

なぜなら、あなたに怒りをぶつけられた相手も、「自分の事をわかってもらえない」と悲しく思い、恐れ、恐怖に支配されるからです。あなたの中の恐れが相手に伝染するのです

恐れや恐怖に心を支配されない。相手を支配しない。自分を卑下しない。そうではなくて、思いや気持ちを尊重する「愛」によって、相手にも自分にも接してあげる。そんな大切なことに気が付かせていただきました。

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:恐れを認め、弱さを受け入れろ
今日の箴言:
アルフレッド・アドラー:心理学者
夏目 漱石:文豪、小説家
ブルース・リー:俳優(映画「燃えよドラゴン」のセリフより)
今日の書籍:3つの真実 人生を変える”愛と幸せと豊かさの秘密”:野口 嘉則:ビジネス社
今日の写真:illust-AC 様:里内良さん

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