命の代償

こんにちは、MSLABOです。

幸せになりたいと思います。豊かになりたいとも思います。そう考えているうちに、いつの間にか私達の頭のなかには「豊かさ=幸せ」という図式が出来上がっているのかもしれません。

ホセ大統領のスピーチ南米の小国「ウルグアイ東方共和国」のホセ・ムヒカ元大統領が、2012年のリオ・デ・ジャネイロで開催された「持続可能な開発会議(リオ会議)」という「自然と調和した人間社会の発展」を考える国際会議で発言した内容が話題となっています。

ウルグアイ上の画像はウルグアイ東方共和国の場所と簡易地図、国旗です。
(画像URL:在ウルグアイ日本国大使館 様、Wikiペディア「ウルグアイ」記事 様)

多くの国が、当り障りのない(悪く言えば、よくある一般的な)スピーチに終始する中、登壇したホセ大統領(現在は元大統領)は「環境問題の核心を突く」スピーチを行って、一躍「時の人」となりました。

ホセ・ムヒカ

(画像URL:Wikiペディア「ホセ・ムヒカ」記事 様)

実はこの話題は、随分前に見聞きして知っていました。しかし「面白い事を話す人がいるものだ」とは思ったものの、すっかり忘れていたのです・・・(汗)。

ふらりと立ち寄った本屋で「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉:佐藤 美由紀:双葉社」を目にして読み進めるうちに、彼のスピーチの奥深さを改めて感じずにはいられませんでした。

彼は環境問題の本質を、「消費する事が善。より多く所有すること、より多く稼ぐこと、より高価な物を持つこと、より便利なことが良い」とされる「ハイパー消費社会」に原因があると喝破するのです。

そして「自由」とは「多くの物に囲まれていること」ではなく、もっと人間らしい大切な事(たとえば、友人や家族、恋人と過ごす、愛を育む、子供を育てる)などに使える時間を増やすことだと言います。

『貧しさの中にある豊かさとは、質素な中に喜びを見出すことであり、大切なものは何かという核心を見出すことである。』
ヘーゼルデン ヘーゼルデン財団:米国 依存症回復団体

どういう事でしょうか?。

命の代償贅沢な暮らしをしようと思うと、沢山のお金(収入)が必要になりますよね?。沢山のお金を得るには、(まさか銀行強盗をするわけにも行きませんから)普通は沢山働かなくてはいけません。

もちろん価値の高い仕事が提供出来るようになれば、短時間で高い収入を得ることも可能です。医者や弁護士など高度な仕事を行う人や、芸能人や有名スポーツ選手のような夢を提供する人たちが、私達より「時間あたりの収入」が良い例を見れば、よくわかる事だと思います。

しかし、「みんながお金を払いたくなるような価値の高い仕事」が、「誰にでも簡単に」できるわけではありません。

ですから私達一般人にとって、少しでも高い収入を得る手っ取り早い方法は、沢山働くことになります。つまり「労働時間=収入」という図式が当てはまるわけです。

ところが、ここで忘れてはならない大切な事が1つあります。それは、この世界に生まれたすべての人にとって「命=時間」だという事です。誰にとっても1日は24時間しかありませんから、労働時間が増えれば、必然的に労働以外に使える時間(自由時間)は減ってしまいます

ホセ大統領も次のように語っています。「人が物を買うときは、お金で買っているわけではありません。そのお金を稼ぐために割いた人生の時間で買っているのです」。

「ハイパー消費社会」は、「贅沢なものや余剰なものと、人生で大切なものや自分の命を交換する社会」とも言えるわけです。

ハイパー消費主義また、企業や国家は「ハイパー消費社会」を維持するために、どんどん消費してもらえる商品やサービスを拡充する事になります。そうしないと社会にお金や物が循環しないので、経済が停滞し、不況になり、みんなが不満を持つようになるからです。

ですから極端な事を言えば、企業は10年使える商品を作っていたのでは儲からないわけです。10年使える商品よりも2、3年で壊れる(あるいは時代遅れと感じる)商品を作って、サイクルをどんどん回さなければなりません。

たとえば電話が良い例ではないでしょうか?。

「電話をかける」という基本機能を満たすだけなら、ガラケーで十分です。いやいや、もしかしたら各家庭に据え置く固定電話と公衆電話で十分かもしれません(少なくともオジサマの子供の頃は、それで十分間に合っていました)。

しかし「電話をかける」以外の「付加機能、便利機能」がどんどん拡張された結果、スマートフォンなどが登場し、今ではみんなが当たり前に所有しています。

スマートフォンは半年単位(早ければ3ヶ月単位)で新しいモデルが登場します。先のホセ大統領のスピーチに当てはめるなら、固定電話なら10年は使えるものが、半年単位に電話を更新したくなる消費社会となっているのです。

このような消費社会が、私達に「物の豊かさを与える」代わりに、私達から「人間らしい活動をする時間」を奪っている。自由を奪い、資源を枯渇させているのだというのが、リオ会議でのホセ大統領の主張だったわけです。

欲深き罪そうなる根本原因は「私達の欲深さ」にありそうです。「豊かさや幸せとは、沢山稼いで、沢山使って、沢山所有する事だ」という考えが、大きな原因となっているのでは、ないでしょうか?。

『わずかしか金のない人が貧乏なのではない。お金をたくさん欲しがる人が貧乏なのだ。』
ルキウス・アンナエウス・セネカ ルキウス・アンナエウス・セネカ:古代ローマの哲学者

だから「成功とは、お金持ちや有名人になる事」と安易に考えてしまいますし、そのような事が立派な事、勝ち組だともてはやされるのではないか・・・と、ホセ大統領の演説を聞いて考えさせられました。

ホセ大統領もスピーチで次のように語って見えます。「私達は発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるために、この地球にやってきたのです」。

「じゃぁ、おまえは他人の為に貧乏を我慢できるのか?」と問われると、即座に「Yes」と答えられないところが情けないですが・・・(泣)。

でも、少なくとも「独り占め」するのではなくて「分け合う」事なら出来そうです。
流行に左右されずに、出来るだけ長い間物を大切に使う事なら出来そうです。
過剰な包装や、いきすぎた便利さに「No」と言うことなら出来そうです。

『うばい合えば足らぬ、わけ合えばあまる。うばい合えばあらそい、わけ合えばやすらぎ。うばい合えば不満、わけ合えば感謝』
相田みつを 相田みつを:詩人、書家

豊かさや貧しさとは、物やお金を所有する事ではなく「心の持ち方」なのだと、偉人の言葉から学ぶことができます。自己啓発の結果、豊かにしなければいけないのは「懐(ふところ)」だけでは無さそうですね

ホセ大統領のスピーチからは、過剰な豊かさや便利さを求めると、環境を破壊するだけでなく、自らの命を売り渡すことになるのだと気が付かせて頂きました。

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:便利さや豊かさの罠に気づけ!
今日の箴言:
ヘーゼルデン財団:米国 依存症回復団体
ルキウス・アンナエウス・セネカ:古代ローマの哲学者
相田みつを:詩人、書家
今日の書籍:世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉:佐藤 美由紀:双葉社
今日の写真:illust-AC様 :AO16さん、上田 ひろこさん、nomptyさん

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