こんにちは、MSLABOです。
悪魔祓いと聞いて、どんなイメージをお持ちになるでしょうか?。未開の大地で怪しい儀式を行う呪術師?、それとも真っ黒な法衣に身を包んだ神父さまでしょうか?。
私は悪魔祓い(エクソシスト)と聞くと、、1973年に放映されたアメリカのホラー映画を思い出します。
幼いころにTVの映画番組で放送されていたものを見ました。見終わって、思わず1人でトイレに行くのが嫌になった記憶があります(笑)。
アニメ好きな人なら、加藤 和恵さんの「青の祓魔師」を思い出す方が見えるかもしれませんね。こちらは怖い作品ではなくて、カッコイイ主人公が活躍するヒーローもののアニメです。
(画像URL:青の祓魔師 公式サイト 様)
「パッとしない私が「これじゃ終われない」と思ったときのこと:上田 紀行:幻冬舎」で上田さんは、若いころにスリランカに滞在し、現地の「悪魔祓い」の儀式を研究した体験を紹介してくれています。
といっても、なにも怪しげな呪術を研究されていたわけではありません(笑)。
現地の人々が「悪魔祓い」によって病気の人を癒やす儀式を元に、なぜそのような儀式が行われるのか、どうして癒やされるのかを研究する真面目なものだったようです。
上田さんによれば、スリランカでは「孤独な人に悪魔が憑く(つく)」と言うのだそうです。
「孤独な人は、悪魔に魅入られてしまう」と言われており、他人から悪意のある眼差しで見られていたり、無視されていると、その人を悪魔が襲って取り憑いてしまうと考えられていました。
悪魔祓いの儀式では、孤独で病んでいる人の周りに、村人や近隣の人々が大勢つめかけます。そして沢山の人が囲む中で、悪魔の仮面をかぶった人が孤独で苦しむ人に、こう告げるのです。
(画像URL:シアンのゆりかご:2020/11 Linkが見つかりません 様)
悪魔:「おまえ、病気なんだってな?」
病人:「はい」
悪魔:「もったいないから、その病気を一生持っていろ」
村人:大笑い
病人:「嫌です」
悪魔:「では、病気はもうおしまいにするかね?」
病人:「はい。もうおしまいにします」
悪魔:「わかった。それじゃぁお別れだ」
そして悪魔がおどけて去っていくと、周りの人達が口々に病人を励まし、大声で笑い合って、はやし立てるのだそうです。
孤独だと感じている人に、あなたは1人じゃないよと励まし、周囲の社会に受け入れてあげる。孤独を感じている人に、みんなが温かい眼差しと思いやりを示す事で「孤独(悪魔)」を追い出し、病人を治療します。
上田さんは、こう書かれています。
「帰国した私は、ふと自分の周りを眺めて、「もしかしたら、日本人こそ悪魔に取り憑かれているのでは・・・」と感じました」と。
大都会は人であふれかえっています。大勢の人の中で暮らす毎日。通勤電車も、お店も、駅も、人で満杯です。住んでいる所もマンションで、上下左右に他人の部屋があって、人に囲まれています。
にもかかわらず、隣の人はだれ?状態。
ギュウギュウ詰めの電車で、押し合う隣の人は「人」ではなくて「物」。みんなシカメッツラでムスっと押し黙って電車に揺られています。
上田さんがテレビ番組で俳優の本木 雅弘さんと対談した時、本木さんから印象深い話を聞いたそうです。
本木さんは、言います。
「大勢のファンに囲まれていても、みんなが見ているのはぼくの虚像であって、誰も本当の僕を見ていない。人間は大勢の中にいる時のほうが孤独なんじゃないでしょうか?」。
周りに誰もいない時が孤独なのではない。自分に無関心な沢山の人に囲まれている時の方が孤独を感じるのだと、上田さんは指摘をれています。思わずドキリとする指摘です。
自殺、いじめ、無関心。「目立ちたかった」という理由だけで大きな事件を起こす事例が後を立ちません。
みんながFaceBookで「いいね!」を押してもらうことに必死です。
LineやTweeterで誰かがつぶやいたら、即座に返信しないとハバ(仲間はずれ)にされそうで、四六時中携帯電話にしがみついています。
『孤独はこの世で一番恐ろしい苦しみだ。どんなに激しい恐怖も、みんなが一緒なら耐えられるが、孤独は死に等しい』
ビルジル・ゲオルギウ:小説家
あなたにも、思い当たることがありませんか?。
そして上田さんは、こう書かれています(意訳して書きます)。
「悪魔祓いなどというと、未開の地の原始的な儀式だと思われるかもしれません。ですが、孤独な人をみんなで癒やそうとする儀式があるスリランカのほうが、日本などよりもよほど人間的な社会であるように思うのです」。
では日本でそんな孤独に出会ったら、どう対処したら良いのでしょうか?。
「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉:小倉 広:ダイアモンド社」で、小倉さんは心理学者アドラーの言葉を引用して、こう説明してくれます。「苦しみから抜け出す方法はたった1つ。他の人を喜ばせることだ。「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい」。
孤独を癒やすために「外」からもたらされる力(友達、評価など)を利用するだけでは、ますます孤独になるだけだと偉人は言います。
孤独を癒やしたければ、癒される側ではなく、自ら癒やす方に回る事。
自分から他者に奉仕する。そうする事で、自分が社会に必要な存在である事を自分自身で認識していく。自分が社会に必要な存在だと感じる事は、自分の中に確かなものを確立する作業でもあります。
そう考えるとスリランカの人たちは、悪魔に取り憑かれた人を励ます事で、じつは励ましている村人側が、他者に優しさを提供し自分の心から悪魔を追い出していたとは考えられないでしょうか?。
あなたは悪魔に取り憑かれてはいませんか?。
エクソシストに期待するよりも、「やさしさや笑顔で、積極的に他者に貢献する」事で自分の存在価値を示し、自分自身で悪魔を心から追い出す事が大切なようです。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:心から孤独という悪魔を追い出せ!
今日の箴言:
三木 清:哲学者
ビルジル・ゲオルギウ:小説家
今日の書籍:
パッとしない私が「これじゃ終われない」と思ったときのこと:上田 紀行:幻冬舎
アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉:小倉 広:ダイアモンド社
今日の写真:シアンのゆりかご:2020/11 Linkが見つかりません 様