男と女では、どっちが得か?・・・考えたことありませんか?。私は「あります」・・・。ええ。「男はつらいよ」という有名な映画がありますが、男しか知らない自分は「断然、男のほうが辛いに決っている!」と考えていました(汗)。
「草食系男子、肉食系女子」と言われるようになって、ずいぶんたちますよね。
最近は私の職場でも、「ギラギラした男子」よりも「おとなしい男子」が増えてきているように思います。
楽天グループの結婚情報サービス会社「オーネット」が、25~34歳の独身男性382人を対象に行った調査では、「恋愛に興味がなく、女性無しで人生を楽しめる」とした草食系男子を凌駕する「絶食系男子」(スゴイ呼び方だw)が全体の14.4%に達したそうで、気になります。
(参考URL:楽天O-net (2020/11Linkが見つかりません) 様)
聖書では、最初に作られたのはアダム(男)であり、アダムの体の一部(肋骨)からイヴ(女)が作られた事になっています。
ところが現代科学では(少なくとも人間を含む哺乳類は)女が主で、女から男が作られることが判明しています。哺乳類の胚(胎児になる前の細胞)は基本的にはメスになる仕組みになっており、成長過程で複雑な遺伝子の働きがあって、オスが出来上がるのだそうです。
メス=子供を生む性と考えれば、繁殖能力がある性が基本になっている事は納得できる気がしますが・・・・オスのオジサマにとっては複雑な心境です(笑)。
そんな折、男と女、雄と雌の違いについて昆虫オタク?である仏文学者の奥本さんと、類人猿の研究で有名な行動生態学者の長谷川さんが、昆虫や動物のオス・メスに関する話題を中心に、対談形式で面白く紹介した本「男と女、二つの性がある理由:奥本 大三郎、長谷川 眞理子:産経新聞社」を読みました。
様々な観点でオス・メスの違いを紹介されている話題の中で、長谷川さんのメスザルが好むオスザルについての記述が興味を引きました。
ニホンザルを始めとする猿社会には、ボスザルを頂点とした階級社会があるのは有名な話です。ボスザルは一般的に体が大きくて力が強く、ケンカも強いです。
ですのでサル社会ではボスが多くのメスを従えて、ハーレムを作っています。
ところが長谷川さん曰く、メスザルは必ずしも「一番強いボスザルが好き」なわけでは無いそうです。えええええ、そうなの?と目からウロコでした。
ではメスザルはどんなオスが好きなのか?・・・同じ哺乳類のオスとして興味がわきませんか?(笑)。
もちろんボス(トップ)が好きなメスも沢山いるそうですが、現在順位上昇中の勢いがあるサル(アップ)が人気なのだそうです。また順位は決して高くなくてケンカも強くないけど、子供に優しく、いつも周りに子猿がいるようなオス(チャーム)にも人気があるのだとか・・・。
さらには、時々群れの外からフラっと現れて群れに参加するハグレモノ(ストレンジ)は、メスザルに絶大な人気を得るそうです。
人間社会でも、勢いのある若者や、女子供に優しい男子は人気ですし、ドラマやアニメでは、ある日クラスにやってくる転校生や研修教師が人気を得るストーリーは定番です。
猿の話とはいえ、なんだか人事(いやいやサル事)の気がしないのは、オジサマだけでしょうか?・・・(笑)。
そもそもハーレムといった考え方からして、オス側からの一方的な視点とも言えますよね。ボスの周囲に集まっているメスは、必ずしもボスに好意を寄せているとは限らない・・・なんとも切ない話題です(汗)。
動物社会においては「弱肉強食」と言われ、ここから人間社会においても勝ち組と負け組に代表されるように、経済力や地位があり学位がある者が、そうでない者を従えるのは当然であるように語られることがあります。
力の強い者が一方的に支配し、力の強い者のみが子孫を残せる(いわゆる私達が誤解している 弱肉強食)というのは、あまりに偏った考え方で、自然界には沢山の例外があると奥本さんと長谷川さんは教えてくれます。
ましてや多様な価値や考え方があり、高度に分化した人間社会では、ある特徴や特質、能力を持つ人が「絶対支配者」であるわけがありません。
またこれは市場シェアを分け合う企業の競争原理にも当てはまるように思います。沢山のシェアを持っている企業が、他を押しのけて独占して良いというわけではないし、必ずしもそのような企業が生き残るわけではないと・・・・。
で、結局オスとメスでは、どちらが有利なのか?。
ありきたりかもしれませんが、奥本さんと長谷川さんの結論は「どちらにも長所・短所があり、一概にどちらが有利とはいえない」というものでした。
『結婚というものは、本来、その中でまったく素質の違う男性と女性とが、お互いに相手を知り、異性的なものを自分の中にとり入れて、それぞれ成長を続ける器である。』
秋山さと子:心理学者
『男女関係で幸せになる最初のコツは、お互いへの期待を手放すことです。適度な距離があって、初めて自分の空間ができます。そして、お互いが自分の足で立ってこそ、支え合うこともできるようになるのです。』
本田 健:著述家
どちらが有利・不利ではなく、お互い特質が違うのだ(向き不向きがあるのだ)と理解し、相手に期待しすぎる(依存する)のではなく、お互いが支え合える自立した存在になるべきだと、学者も偉人もアドバイスをしています。
長谷川さんは、先の本の中で次のように締めくくられています。
「この世には雄と雌がいておもしろく、美しいのだと私は思います」
男と女の関係に大切なモノを学んだ気がします。
ちなみに「男はつらいよ」で有名な寅さんは、映画の中で一度も「つらい」とは言っていないのだとか・・・・。男はつらいなんて、ヒガンでいる場合じゃないですね(汗)。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:男女は損得では語れない、互いに支えあう存在
今日の箴言:
- 秋山さと子:心理学者
- 本田 健:著述家
今日の書籍:男と女、二つの性がある理由:奥本 大三郎、長谷川 眞理子:産経新聞社
今日の写真:illast AC 様: hozuさん