妖怪ベッキーと対峙する

こんにちは、MSLABOです。

この世の中には、とにかく「XXXすべき」論が溢れて(あふれて)います。あなたも私も、両親や、先生や、先輩や、身近な人に「XXXすべき」と言われて育ってきた記憶がありませんか?

多くの場合、特に身近な人(親や兄弟)が言う「XXXすべき」は、私達の事を本気で心配し、親身になって忠告してくれているものです。
「勉強しなさい(勉強すべきですよ)」
「人に親切にしなさい(他人には親切にすべきです)」
「嘘はついてはいけません(嘘はつくべきではありません)」・・・・

どれも大切な教えですし、若い頃は「何言ってやがる、うるせーな」と反抗していた自分も、年をとるにつれ、「ああ、本当にその通りだったなぁ」と身にしみて反省させられます。
しかし、あまりにも「XXXすべき」に縛られると、いつの間にか見えない鎖や常識にがんじがらめにされてしまい、柔軟な発想ができなくなってしまいます。

例えばペットボトルのお茶。
いまでは外で売られている飲料の中でも、果汁飲料や炭酸飲料を引き離してダントツの売上を持つ大ヒット商品(1世帯あたりの「茶類」(ブレンド茶含む)への年間支出額は1万2487円と言われています)になっていますが、私の子供の頃は考えられない商品でした。
(参考:NEWSポストセブン 様、Wiki「緑茶飲料」記事 様)

なぜならば「お茶は各家庭で沸かして飲むもの=家で沸かして飲むべき」という常識があったからです。
各家庭には、それぞれ伝家のお茶(各家庭で微妙に味が違うお茶w)がありました。遠足などで友達から水筒のお茶をもらうと、「あれ?、なんかウチのと味が違う・・・」と思ったものです。

このような「べき論」は単なる常識にとどまらず、いろいろな所にあふれています。

  • 「女なんだから、結婚して子供を生むべき」
  • 「女は前に出ず、おしとやかにしているべき」
  • 「男なんだから、働いて家族を養うべき」
  • 「男はいつでも強くて頼りがいがあるべき」
  • 「いい大学に進学すべき」
  • 「無難に就職すべき」
  • 「親が医者や弁護士なら、子供は後を継ぐべき」
  • 「サラリーマンは給料分は働くべき」

どうです・・・いっぱいありそうでしょう?(笑)

どれも1つ1つは決して間違えた意見ではないですし、一面では正しいことを言っているようにも思えます。
しかしこれらの意見にとらわれ過ぎると、人生が窮屈で「いったい、これは誰の人生なんだろう?」といった事になりかねません。

小さな幸せに気づかせてくれる33の物語と90の名言:西沢 泰生:かんき出版」で西沢さんは、このように「XXXべき、XXXべき」とばかり言ってくる人を「妖怪ベキベキ男(女なら妖怪ベッキー)」と例えていますw。

そして、そんな妖怪が出現したら、「出たな、妖怪!」と思って聞き流してしまいましょうと述べています。ベッキーさん達の意見は「ありがたく参考」にしつつも「自分の人生は自分で決めなさい」といい、「人生の形に「正解」なんてない。だから「不正解」もない」と言われます
なんだか、すこし救われる思いがします。

そういう思いでNETを見ていたら、ハッとさせられる話題に出会いました。
スタジオ・ジブリの映画「かぐや姫の物語」について、秀悦で鋭い感想が書かれたページを見つけたのです。

戦場のガールズライフ 様のブログになりますが、彼女は「かぐや姫の生き方」に、現代女性に通じる「もののあはれ」的な要素を見い出し、自由に生きたいという気持ちと「XXXであるべき」という世間の常識や圧力の葛藤に苦しむ女性の姿を書き込まれています。

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(スタジオジブリ:高畑 勲監督作品「かぐや姫の物語」 参考:かぐや姫の物語 公式サイト 様)

女にとって、大人になるということは、ただ子供から大人になるということではない。大人ではなく、「女」になれ、という周囲からの強制が必ず働く。(中略)女の規範に添わない女は、自己主張が強く、面倒くさい女として扱われる。:戦場のガールズライフ様」

また次のようにも書かれています。
世の中の人は、若く美しい女に人生の苦難なんかないと思っている。美しく生まれた女には人生は楽勝で、生まれながらに勝ち組だと思っている。そこにどんな 絶望があるか、こんな鮮やかに描き出されるなんて思ってもみなかった。醜い女は「お前なんか女じゃない」と「女」を奪われ、美しい女は「人」であることを 奪われる。かぐや姫は「人」であることを奪われる側の人間だった。:戦場のガールズライフ様」

かぐや姫の物語について沢山の映画評論を読ませていただきましたが、こんなに心に刺さる評論を見たのは始めてでした。
どんな有名な評論家の意見よりも、この映画の主題を的確に言い表していると感じました。

戦場のガールズライフ様は「女性」について述べられていますが、実は世の男性にとっても、似たような事情が働いているように思います。
「男は強くあれ」「男は稼いでなんぼ」「男なんだから弱音は吐くな」・・・


『正しかろうが間違っていようが、自分らしく生きよ。安易に服従してしまう臆病者よりずっと立派だ。』

アーヴィング・ウォーレスアーヴィング・ウォーレス:作家

ただ、「XXXすベキにとらわれず、自分で判断しよう」とだけ言うと、「人の忠告や助言なんて関係ないんだね」と勘違いされる方が見えるかもしれませんので、次のような偉人の言葉も紹介しておきたいと思います。

『「自分が置かれている今の状況は、これまで私が行ってきた選択の結果だ。自分の責任なのだ」と心の底から現状を容認できるようになって初めて、「ほかの道を選択する資格」を持てるのだ。』
スティーブン・R・コヴィースティーブン・R・コヴィー:経営コンサルタント

「XXXすべき」という意見にとらわれる必要はないけれども、その選択結果は自己責任という事ですね。妖怪ベッキーが現れたら、ぜひその意見を参考にしつつも、「自分はどうしたいのか、自己責任をとる覚悟で、自分の心に聞いて判断したい」と思いました

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:自分はどうしたいのか、自分の心で判断する
今日の箴言:

  • アーヴィング・ウォーレス:作家
  • スティーブン・R・コヴィー:経営コンサルタント

今日の書籍:小さな幸せに気づかせてくれる33の物語と90の名言:西沢 泰生:かんき出版
今日の写真:かぐや姫の物語 公式サイト様、lllust AC 様:たかやんさん
いつか書く:

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