こんにちは、MSLABOです。
夢を形にしたい!と言うと、からなずこう言う人がいます。「現実を見ろ!」。夢がぶっ飛んでいる程、これは一種の殺し文句になります。「現実を見ろ」という言葉は、どう考えれば良いのでしょうか?。
今日のポイント
夢を実現する確立
夢を実現するためには何が必要でしょうか?。ぱっと思いつくだけでも、いろいろあります。
- 十分な資金
- 豊かな才能
- 優秀な人材や人脈
- 高い知識
- 高度な資格
- 強運
そのどれもが必要な気がします。そして残念ながら、そのどれもが私の手元にはない。それが現実です(汗)。
普段は「夢」だの「理想」だのと叫んでいる私も、ある時フッと我に返る時があります。そんな時は決まって、どこからともなく「現実を見ろ!」とか、「そんなの無理に決まってるだろ?」と叫ぶ呪詛(呪いの声)が聞こえてきます(汗)。
「これってヤバくないのか?」、「いい年したオッサンが、何のアテも無く脱サラして、金にもならない事をやって喜んでる。・・・もしかして、俺ってアホなのか?」。我に返ると、急に足元が崩れるような思いになります。
そもそも世の中には、夢を現実に変える人はどの程度いるのでしょうか?。
そのものズバリな統計データがあるわけではありません。しかし、国勢調査などのデータをもとに、音大卒業生が音楽家になれる確率を推測した記事がデータえっせい 様のページにまとめられていました。
記事によれば、その確立はワズカ3%!。
音楽が好きで、音楽を専門的に学べる大学にまで進学したのに、音楽家として食べていこうと決断して、その道を歩む人は3%しかいないのです。
これを見ると「3%か・・・やっぱりな」と、ヒザをつきたくなります。やはり「現実」とやらは見るべきものなのか・・・わかっている事とはいえ、ちょっとヘコミます(汗)。
(画像URL:photo-AC 様:acworksさん)
現実を見ろ?
夢を形にする話といえば、池井戸 潤さんの小説「下町ロケット」が注目されていますよね。TBSの日曜劇場で主人公を阿部 寛さんが演じるドラマにもなりました。
下町ロケットは、宇宙科学開発機構(JAXAがモデル?)の研究員だった主人公が、父の経営していた中小企業の後を継ぎ、社員たちと共に宇宙開発事業や人工心臓の開発に奮闘する物語です。もちろん架空のお話です。
(画像URL:TBS 様)
それはドラマだから出来る。現実は、たかが下町の中小企業が、XXX重工といった巨大企業とタメを張って、莫大な開発資金と最先端の科学技術が必要な宇宙開発事業に挑戦するなんて、できるわけがない!。誰もがそう思います。
ところが、そんな私達の常識を打ち破る企業が現実に存在するのです。しかもこの現代日本に!。
植松電機という会社があります。北海道の赤平市(あかびらし)にある従業員わずか18名あまりの小さな会社です。本業は宇宙開発!などではなくて、建物を解体するときに使うマグネットの機械を作る会社です。
リサイクル業者が使う機材を作る会社で、ロケットのロの字とも関係がありません(笑)。下町ロケットのドラマに登場する佃製作所は従業員数が200名あまりと言われていますので、従業員数が18名しかいない植松電機は、ドラマよりもシビアです。
ところがこの植松電機。北海道大学と協力して画期的なロケットエンジンを開発し、小さいながらもロケットを作って、宇宙まで飛ばしているのです。しかも小型の人工衛星まで開発しています。なんだか、もの凄い会社なのです。(参考URL:株式会社 植松電機 研究・開発サイト 様)
下の写真は植松電機が開発したカムイ型ロケットです。
(画像URL:RBBTODAY 様)
その植松電機の専務取締役である植松 努さんが書いた本「思うは招く:植松 努:宝島社」を読ませて頂きました。
植松さんは、「現実を見ろ!」という言葉について、著書の中でこんな事を書かれています。「よくよく考えたら(中略)現実とは過去の事なんです。(中略)僕が知っている努力している人たちは、みんな、過去ではなく現在と未来の話をします」。
記事の冒頭に、成功に必要と思われるものを幾つかあげました。そして、それが何もない。これが現実だと書きました。
- 資金がない
- 経験がない
- 人脈がない
でも、これは次のように言い換える事も可能です。
(今は)資金が無い。(過去には)経験したことが無かった。(これまでは)適切な人との出会いが無かった。
いろいろな「現実」があります。ですが、言い換えてみると、そのどれもが「過去」である事に気が付きます。
もちろん過去を振り返ることは大切です。
しかしそれよりも大切な事は、過去が未来を決定づけるものでは無いという点です。過去は過去。確かにこれまではそうだった。でも「今日からも同じ」であるとは限らないのです。
『経験してみるまでは何事も現実ではない。人生が教えてくれるまでは諺ですら諺とはならない』
ジョン・キーツ:詩人
植松さんも著書でこう書かれています。
「知らなかったら調べればいいんです。間違えたらやり直せばいいんです。素直にこれをやればいいだけです」。今は無い。それを知る事は大切です。そしてそれに気がついたら、求めれば良いのです。
否定的な意見を語る理由
しかし、そうは言っても不安になるのが人間です(私です。はい。:汗)。不安になれば、身近な人に相談したくなります。私も会社を辞める前に、何人かの親しい人に相談をしました。
そしてそんな相談をした時に、「現実を見ろ!」とか「そんなの無理に決まってるだろ?」と言われるわけです。
ですがよくよく考えると、(失礼を承知で書かせて頂ければ)夢に反対する人の大半は「夢を真剣に追いかけたことが無い人」なのではないでしょうか?。あるいは少しだけ追いかけたけど、あきらめてしまった人。
自分の好きなことで成功したり、生活出来ている方が身近にみえるという方もいらっしゃるかもしれませんね。でも多くの場合は、おなじサラリーマン仲間(上司、同僚)や、家族など、堅実な仕事をしている人が相談相手になるのではないでしょうか?。
相談する事は大切です。
その一方で、そんな「夢を追いかけない(あきらめた)人」に、いくら「夢の話」を相談しても、彼らは「できない理由、やらない理由、あきらめた理由」しか語ってくれないのではないかと思うのです。
夢を追いかけている人、夢と共に歩んでいる人はきっと、「今は難しいかもしれないね。でも、どうしても叶えたいなら、XXXという方法もあるんじゃない?」と、できる可能性、やる気を起こさせる話、あきらめない気持ちを語ってくれる筈です。
植松さんも著書で、こう書かれています。「やったことがない人は、できない理由しか教えてくれません」。
私が過去に退職を相談した人の場合もそうでした。Aさんは独立気風が強いとはいえサラリーマンをしている人、Bさんは独立会社の社長でした。
Aさんからは反対こそされませんでした。ですが「慎重に考えたら?」とアドバイスを頂きました。しかしBさんからは「本当にやりたいなら、やってみればいいよ」とアドバイスを頂きました。
どちらのアドバイスも貴重です。そして真実を突いています。ですが、本当にやりたいなら現実(過去)を気にしていては始まりません。
孤独に負けるな!
夢を追いかける時は、とても孤独です。「よくある夢(安定コース)」を選べば沢山の仲間がいるかもしれません。でも「人とは違う変なヤツ」を目指すと、孤独なコースをまっしぐらです(笑)。
そんな孤独感について、植松さんはこう書かれています。
「理想を目指して飛んでいると、ひとりぼっちになるかもしれないよ。でも、さみしくても負けないように飛び続けたら、きっと星に届くよ、その星には、同じように飛び続けた仲間が待っているよ。だから、ひとりに負けないでね」
『(夢に一歩)踏み出した瞬間は、とても孤独かもしれない。だが「その一歩」があるからこそ、本当の自分と出会うことができる』
栗城 史多:登山家
中年のオヤジが、なんの人脈やコネもなく、資金もなく、著述家やゲームクリエイターを目指しているのですから、確実に痛いヤツです。おかげ様で私は現在、孤独な人生まっしぐらです(笑)。
(画像URL:illust-AC 様:タケヒさん)
でも、北海道の零細企業がNASAやJAXAとタメを張って宇宙開発ができるんです。それに比べたら、私の夢なんてチョロいもんです。ええ(苦笑)。
だから、今日も夢に向かって自分のロケットを飛ばし続けたい・・・植松さんからは、そんな勇気をもらいました。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:夢のロケットを飛ばせ!
今日の箴言:
ジョン・キーツ:詩人
栗城 史多:登山家
今日の書籍:思うは招く:植松 努:宝島社
今日の写真:photo-AC 様:acworksさん