こんにちは、MSLABOです。
前回の記事で「ありがとう」と口に出して言うと脳に良い影響があると書きましたが、脳科学者で医学博士の中野 信子さんも「運の良い人」は「良い言葉を声に出して言う」と言います。今回は運が良い事について考えてみたいと思います。
『科学がつきとめた「運のいい人」:中村 信子:サンマーク出版』によれば、「運の良い人」は「運がいい」「ツイている!」と声に出して言うそうです。中村さんは、「今この世で生きている全ての人が、いかに運がよいか」について、医学博士らしく受精と誕生を例に説明してくれます。
まず、人は精子と卵子が結合することで生を得ますが、1回の射精で出される精子の数は1億から4億といわれており、この中の「ほぼ1つだけ」が卵子と受精できます。精子の視点から見れば受精できる確率は4億分の1ですね(卵子から見れば1分の1ですがw)。
受精した卵子(受精卵)が子宮に着床できる確率は75%(100%ではない)ほどで、着床してもそのうちの何割かは成長せずに死んでしまうそうです。つまり着床した受精卵の半分ほどしか成長できないという訳です。
さらに無事受精卵が成長して妊娠しても、全妊婦の平均15%が流産すると言われており、生まれた所が日本のような豊かで安全な国である可能性は数十分の1です(日本に限定すれば70分の1(70億分の1億)ほどですね)。
無事に生まれたとしても1歳まで生きている確率は、2013年の世界保健機関(WHO)の発表によれば、日本では99.8%(1000人に2人ほどが死亡する)、世界平均では96.3%で、21世紀の現代であっても生まれた国が不安定だったり運が悪ければ死んでしまいます。
今日本に暮らしている私たちは、すごい確率(つまり幸運の元)で今の豊かさを享受しているとい言えそうです。だから中村さんは、「今この世で生きている全ての人は、運がよい」と言います。
自分が生まれるためには普通は自分の両親が必要です。この両親にも精子と卵子の奇跡、日本に生まれる奇跡が起こり、さらにその両親にも起こり・・・天文学的な確率で、私というDNAを持つ個体がこの国に生まれたことになります。
もう少し広大な世界に目を転じてみましょう。
地球に生命が誕生する確率ですが、自然界で偶然にアミノ酸からタンパク質が生まれる可能性は、G.S.モートン博士の論文によれば10の282万5000乗分の1!なのだそうです。
ぽかーーん・・・・1兆分の1でも10の12乗分の1にしかなりませんw。数学では10の50乗分の1以上は無視されるそうですので、つまり「あり得ない確率。すごーーい奇跡でもない限り起こらない」という事になります。がくがくがく・・・
さらに宇宙に目を転じてみましょう。
NHKの科学番組によれば、この銀河系で地球のような高度な文明社会が発展する確率は2000億~4000億個の恒星系の中で僅かに14個ほどなのだそうです。銀河系でたったの14個です!。
この事はドレイクの方程式と呼ばれる式でも計算されており、我々の銀河系に存在する通信可能なほど発達した地球外文明の数は10個と推定されているそうです。4000億の恒星に1兆以上の星があるとして、その内の10から14個・・・・無いに等しい数です。
また宇宙は約137億年前にビックバンと呼ばれる超爆発によって誕生したとされていますが、名古屋大学准教授の松原 隆彦さんによれば、宇宙の膨張速度が遅すぎても早すぎても、現在のような星や銀河をもつ宇宙にはならないのだとか。
松原さんによるとビックバンの際、現在の宇宙になるための絶妙な膨張速度が偶然得られる確率は1000兆分の1だと言います!。・・・ここでも値が大きすぎて理解できませんw。
なんかもう頭が痛くなる世界です。
つまりは、宇宙物理学的にも生命科学的にも、宇宙に地球が存在し(1000兆分の1)×地球に生命が発生し(10の282万5000乗分の1)×文明社会が築かれ、先祖からの血が交わりあって(1000億分の1)×今の自分というDNAを持つ存在が生まれる確率(計算不能)は・・・計算できないほどの凄い数値になるという事です。
だから「生まれて、生きているだけで、奇跡」という事なのですね。
『あなたが虚しく生きた今日は昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った明日』
小説「カシコギ」:趙 昌仁 より
『今日という日は、残りの人生の最初の一日。』
米映画『アメリカン・ビューティー』:サム・メンデス監督 より
共に心に響く名言です。奇跡の人生の1日を無駄にしたらバチが当たりますね。
「生まれた奇跡と幸運を感謝し、今日という1日を精一杯生きる」そんな力が沸き起こります。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:生まれた奇跡と幸運を感謝し、今日という1日を精一杯生きる
今日の箴言:米映画『アメリカン・ビューティー』:サム・メンデス監督
今日の書籍:
- 科学がつきとめた「運のいい人」:中村 信子(サンマーク出版)
- カシコギ:趙昌仁(サンマーク出版)
今日の写真:freepic.com様
いつか書く: