こんにちは、MSLABOです。
あなたは棺桶リストというのを聞いたことがありますか?。棺桶だなんて縁起でもない言葉に聞こえますが、誰もが1度は入る小部屋です。
今日のポイント
書けそうで書けない棺桶リスト
棺桶リストとは、別に棺桶の商品カタログではありません(笑)。
そうではなくて、死ぬまでに(つまり棺桶に入るまでに)実行しておきたいリスト(一覧)という意味です。
いつの日か人生最後の日を迎える時に後悔しないように、これだけは絶対にやっておきたいというリストを、こう呼びます。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した映画「最高の人生の見つけ方」の題材にもなりました。
(画像URL:最高の人生の見つけ方 公式サイト様)
映画では主人公の2人が
- スカイダイビングをする
- 世界一の美女にキスをする
- ピラミッドを見る
など、それまで堅実に生きてきた人生とはうって変わり、余命6ヶ月を楽しむためにハチャメチャな「やりたいこと」をリストアップして、実現していきます。
健康な人は、普通は明日も生きているだろうという事を疑いません。今日が人生最後の日だなんて考えもしないものです。
だからやりたい事があっても、「また今度、ヒマができた時に」とか、「そのうち都合が良くなったら」と、ついつい先延ばしにしてしまいます。
そして気がつけばいつしか人生の下り坂を迎え、深く後悔する事になるわけです。
だから多くの自己啓発書では「やりたい事リスト(棺桶リスト)」を作ることを推奨しています。
棺桶リストは他人に見せるためのものではありませんから、何でも自由に「自分が達成したい事や、理想の生活」を書くのがポイントです。映画では10個のリストをあげていましたが、100個くらいは書いてみましょう(笑)。
(画像URL:illust-AC 様:きのこさん)
ええ・・・、遠慮はいりません。何を書いても、読むのは自分自身だけですので逮捕されることはありません(笑)。美女とXXXする でも 大金持ちになる でもOKなわけです。
やってみるとわかりますが、何を書いてもいいとはいえ、やりたい事を100個も書きだすのは結構難しいものです。私は30個を過ぎた辺りで苦しくなり、60個あまりでネタがつきてしまいました(汗)。
私たちはなかなか「理想像」をたくさん書き出すことができません。いったいどうしてでしょうか?。
沢山書けない理由はいろいろとあるでしょうが、その1つとして「叶えたい夢」を考える時に、「その夢が実現しそうかどうか」も考えてしまうからではないかと思うのです。
例えばサッカー選手になりたいという夢があっても、「もう年だから無理だ」と考えると書き出せなくなります。
「美女にモテたい」と思っても「俺、自分から女の子に声かけたことない」という現実を見ると、書きだすのがタメラわれます。
子供のように無心に、言い換えれば「現実など無視して、実現性など考えずに」夢を書きなぐるのは、大人になった私たちには意外と難しいものです。
あなたは、そんな事はありませんか?。
手段と目的を間違えない
「君と会えたから:喜多川 泰:ディスカヴァー・トゥエンティーワン」を読ませて頂きましたが、実はこの本の中にも「自分の夢を書き出すワーク」が登場します。
毎日をなんとなく過ごしている17歳の青年ヨウスケが、とある少女ハルカとの出逢いをキッカケに、人生で大切なことを学んでいく青春ストーリー仕掛けの自己啓発書となっています。
(画像URL:photo-AC 様:acworksさん)
主人公のヨウスケも、ハルカに言われて「棺桶リスト(本の中ではライフリストと呼んでいますが、同じものです)」を書き出します。
なんとかリストを書き上げたヨウスケに向かって、ハルカはこう言います。
「ねぇ、ヨウスケ君。今そこに書いたすべての事が絶対にうまくいくって約束されているとしたらどうする?」
そんな事を言われても、当然ヨウスケはピンと来ません。ついこう言い返してしまいます。「そりゃぁ、うれしいけど、そんなのは無理だよ」
ところがハルカはこう言うのです。
「それは『できたらいいなリスト』ではなくて『できることが決っているリスト』なの」
そしてこう続けます。
「本当よ。人生で絶対にそうなるって約束されていることは、たった1つ。いつかは死ぬということだけなの(中略)つまり方法はあるってことよ。そして、それを見つけられる人は、「絶対できる」と信じて行動を続ける人よ」
ぐは・・・。耳が痛いです。
オジサマなどはヒネクレていますので、「それでも年齢やお金の制限はあるじゃないか!」とつい反論したくなってしまいます(汗)。
例えば「サッカー選手」になるという夢なら、10代の若い頃に思い描くのならいざしらず、20代や(まして40代で)思い描いた所で叶うわけがないじゃないか・・・と。
ところがハルカは違うと言うのです。
例えばサッカー選手になりたいとして、それは「何故なのか?」と。何を手に入れたいから「サッカー選手」になりたいのかと問います。
たんにサッカーが3度のメシよりも好きならば、なにもプロサッカー選手になる必要はありません。小さなサッカークラブのコーチや、地元のフットサルチームの選手になる事でも良いわけです。
そうではなくて「プロのサッカー選手」になりたいのだとしたら、それは
- 有名になりたい
- お金持ちになりたい
- チヤホヤされたい
- 世界中を旅したい
など、そこには「サッカー選手」から連想される「別の理由」があるのではないか?。
さらに深掘りして、なぜ「有名人」や「お金持ち」になりたいのかを考えると
- 安心して暮らしたい
- いろいろな事に縛られずに、自由に生きたい
- 友達や家族と楽しく過ごしたい
- 誰かに必要とされたい
- 認められたい
人によって理由は多少異なるでしょうが、実はこんな欲求が隠されている事に気がつくのではないでしょうか?。
つまりサッカー選手も、お金持ちも、実業家も、自分の理想像を叶える1つの手段であって、目的そのものではないというわけです。
サッカー選手にはなれなくても、「安心して暮らせる生活」とか「好きな時に好きな所へ行ける自由」が手に入ったとしたら、それはサッカー選手になった事と同じではないか・・・ハルカはそう言うのです。
もう1つの奇跡のリスト
さて、ここまでなら良くある自己啓発書に登場する内容なのですが、喜多川さんの本には「棺桶リスト」を実現するために不可欠な「もう1つのリスト」が登場します。
ここが喜多川さんのすごい所です(笑)。
実は棺桶リストを作るだけでは、夢はかなわないというのです。まぁ考えてみれば当たり前ですよね。欲しいものを書き連ねるだけで、夢が叶うなら苦労はありません(汗)。
棺桶リストとペアにして作るもう1つのリスト。それは「してあげることリスト」です。
棺桶リストは、いうなればTAKE(もらう)リストです。自分が欲しいものをピックアップしたものです。
一方で「してあげることリスト」は、棺桶リストを叶えるために「自分自信や他人に対して、今からしてあげられる事」リスト。いうなればGIVE(与える)のリストなのです。
(画像URL:photo-AC 様:acworksさん)
例えば「世界中で大ヒットする商品を発明して特許を取る」という夢を棺桶リストに書いたとしましょう。
それに対応する「GIVEのリスト」には、「毎日家事に苦労している母親の負担を少しでも軽くしてあげたい(負担を軽くしてあげられるものを発明する)」などになります。
しかもGIVEのリストには、「将来、してあげたい事(発明をする)」事だけではなくて、そのために「毎日してあげる事」をできるだけピックアップするようにします。
『「私は何のために生まれて来たんでしょうか」と問う若者がいます。「人間は、他人に尽くすために生まれて来たのです」と私は答えます。人の役に立ち、人のために尽くすこと。それが私たちの生きる意味です。』
瀬戸内 寂聴:天台宗 尼僧
例えば、いきなり家事の負担を軽くするような大発明はできませんので
- どんな事が家事の負担になっているか調べてみる
- 実際に家事を手伝ってみて、苦労度合いを体験する
- 汚れた皿は流し台に運んでおく
- 脱いだ服は、手間が掛からないように裏返して洗濯機に入れる
など、毎日の生活の中で「母親の家事の負担を軽くするために、自分ができる事。夢を叶えるためにできる事」を書き出していくのです。
そして、GIVEのリストを「毎日、必ず1つでも良いから実行」します。
とにかく、GIVEのリストを毎日欠かさずに実行する事がポイントです。だって「私たちは明日死んじゃうかも」しれないのですから・・・。
iPhoneで有名なApple社を創業したスティーヴ・ジョブズは、毎朝鏡を見た時に自分にこう問いかけたそうです。
『If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today? (もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?)』
スティーヴ・ジョブズ:実業家(Apple社創始者)
ジョブズは、毎日を今日が最後の日だと思って生きていたのです。
しかし残念な事に、私たちは「今日1日好きな事をしてもいいよ」とか、「今日が人生最後の日だよ」などと言われると、なかなか建設的な目標が立てられません。
そんな事はありませんか?。
最後なんだから遊びまくるとか、美味しいものを食べまくるとか、女の子をナンパしまくるといった答えになりがちですよね・・・。え、オジサマだけ?(汗)。
では、どうしたら良いのでしょうか?。
これは「好きなことが天職になる心理学:中越 裕史:株式会社PHP研究所」に紹介されていた方法ですが、仮に「今日はあなたの最後の日じゃないけれど、1年後に確実に死ぬ」と言われたら、どうするかと考えてみます。
それでも先ほどと同じ答えになるでしょうか?。
それが1年ではなくて「10年後に確実に死ぬ」という質問ならどうでしょう?。
それでは、それが30年なら?・・・。
30年間も遊びまくったり美味しいものを食べまくるとしたら、それはそれで嬉しい半面、なんだか精神や肉体を病みそうで怖いです(汗)。ましてや、30年間もナンパしまくるわけにもいきません(笑)。
では、何をするか?。・・・そこがポイントです。
確実に言えることは、いつかは必ず棺桶に入る日が来るという事です。
その時、「叶えようともしなかった後悔のリスト」を手にして棺桶に入るのか、「1つでも実現しようと努力したリスト」、あるいは「叶えることができたリスト」を手にして入るのかは、あなた次第です。
私も書きだした60個のTAKEリストに、GIVEのリストを書き加えなければと思うと同時に、今日という日をムダにしないように生きたいと思わせていただきました。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:今日できる小さな事を実行していく
今日の箴言:
瀬戸内 寂聴:天台宗 尼僧
スティーヴ・ジョブズ:実業家(Apple社創始者)
今日の書籍:
君と会えたから:喜多川 泰:ディスカヴァー・トゥエンティーワン
好きなことが天職になる心理学:中越 裕史:株式会社PHP研究所
今日の写真:illust-AC 様:acworksさん