人生は爆発だ!

こんにちは、MSLABOです。

好きなことをして生きていけ!。そういうのは簡単です。神社でおみくじを引いたら「好きなことを貫きなさい」と書かれていましたが、なかなかどうして、たやすくはありません。

今日のポイント

 

作る事と食べる事

子供の頃は自由奔放に振舞っていた人も、大人になるに従って「世間の常識」にあわせる事を学んでいきます。

「出る杭は打たれる」とばかりに、当たりさわりがないように、適当に、空気を読む事を覚えます。

計算高く、要領よく、みんなと同じように、無難にソツなくこなす事が良いことだとされ、自分自身もそんな生活を続けているうちに、いつしか夢を忘れて、全力で生きることができなくなります。

「夢を追いかけるだなんて、そんなお気楽な生活はできないよ。子供じゃあるまいし」・・・、もっともらしい言い訳をしながら、今日も「死んだ魚の目」をして、満員電車にゆられながら会社に行くのです(汗)。

悩む人(画像URL:photo-AC 様:acworksさん)

ええ・・・。私も少し前まで、そんなサラリーマンの1人でした(汗)。

確かにそのような人生は「食べていくこと」には困りませんでした。でも私の場合は、そんな生活では、なんとも言えない「行き詰まり感」がぬぐえなかったのです。

「好きなことをしよう」と思うことは簡単です。思うだけなら、なんのリスクも実害もありません。

でも実際に試してみるとなると、話は別です。「純粋に自分の好きなことを貫く」となると、いろいろと覚悟を決めなくてはいけません。

たとえば

  • 批判されるかもしれない
  • 誰にも評価されないかもしれない
  • 食べていく事ができないかもしれない

という恐怖と対決する必要があります。

だから、(やってみればわかりますが)そんな生活はちっとも「お気楽」ではありません。

お気楽どころか、むしろ怖いし、勇気がいります。ガク・ブルものです。だからみんな「憧れてはいても、簡単にはできない」のです。「よし!俺も」とは思っても、趣味程度でお茶を濁すのが精一杯です。

それに私の場合、「自分の好きなことで、結果的に飯が食える」のは望む所ですが、「飯を食うために好きな事をしたい」とは思いません。飯のために自分の「好き」を妥協したくはないのです。

売れるということは「他人に評価される」という事です。

だから、安定して稼ぐためには「他人が欲しがる、他人の好みに合う、他人に迎合した、他人ウケする」作品を作らなければいけません。それが「自分が望まないもの」であっても、お金のために作らなければいけないのです。

NoGood(画像URL:photo-AC 様:きなこもちさん)

「自分の好き」を捻じ曲げてまで食べていくなら、嫌なことを我慢しているサラリーマンのほうがずっと安定していてマシです。サラリーマンをやめたからには、「自分の好き」は曲げたくない。

これは想像ですが、好きでクリエィティヴな仕事をしている人達、例えば「芸術家」や「小説家」や「漫画家」の人達も、きっと同じ気持でいるのではないでしょうか?。

例えば手塚 治虫さん。漫画の神様ですね。彼の代表作の1つに「鉄腕アトム」があります。

しかし鉄腕アトムという作品を、手塚さんはたいそう「嫌っていた」そうです。なぜなら世の中でもてはやされた鉄腕アトムは、手塚さんが作りたい内容ではなかったから・・・。

手塚さんはアトムについて、「ぼくはアトムをぼく自身の最大の駄作の一つとみている。あれは名声欲と、金儲けのために描いているのだ」と告白しています。(参考:Wiki 鉄腕アトム記事 様)

他人の思いにあわせる事と自分の思いを貫く事・・・この矛盾をどう乗り越えていったら良いのでしょう・・・。

 

太郎という生き方

そんな疑問を持っていた最中、1冊の本に出会いました。「自分の運命に楯を突け:岡本 太郎:株式会社 青春出版社」です。

すごい!・・・それがこの本を読んだ感想です。

戦前戦後の昭和な時代を全力で生き抜いた人間「岡本 太郎」の言葉に、すっかり当てられてしまいました(笑)。

恥ずかしながら、岡本 太郎と言えば「芸術は爆発だ!」とテレビで叫んでいる変なオジサンで、太陽の塔をデザインした芸術家だという程度の思いしかありませんでした。

岡本太郎(画像URL:いいため話 様)

しかし、本の中から語りかけてくる太郎さんは「熱い」のです。全身が太陽のようにギラギラと輝いていて、でもけっして「いやらしくない」。

太郎さんは強烈な言葉で、世間と適当に渡り合い、自分を誤魔化してダラダラと生きている私を蹴飛ばしてくれます(汗)。

そんな太郎さんは、どんな気持ちで作品を作っていたのでしょうか?。

本の中で彼はこう書いています。

僕は他人に媚(こ)びたり好かれたりしようとして絵は描かない。むしろ好かれないことを前提として絵を書いている

またこうも書いています。

絵にしろ彫刻にしろ(中略)それを売って食うためにやるなんてことは、むなしいと思う」。

『現状でいいと妥協したら、その瞬間からすべては終わり始める』
山田かまち 山田かまち:詩人

うまくやろう、成功しよう、一流になろう、偉くなろうなんて考えずに、やれ!」、太郎さんはそう書いて私達を鼓舞します。結果にこだわらず、人の目を気にせず、情熱が沸き起こるものにかけろと言うのです。

それでは「芸術で食べていくこと」については、どう考えていたのでしょうか?。

先の本にこんな一節があります。

僕はあらゆることをやるけれど、職業じゃない。人間として言いたいことを言う。やりたいことをやる。収入はそれについてくることもあるし、こないこともある。勝手にしやがれだ」。

うはぁ・・・(汗)。

事実、太郎さんは自分の作品をほとんど売らなかったそうです。

一部の金持ちが「投資」や「商品」として絵を売り買いする事がイヤだった彼は、芸術はひろくみんなのものだとして、公共の場に飾る作品を作ったりはしましたが、個人への販売は行いませんでした。

とことんまで自分の信念にこだわったのです。

 

それでも前に進め

そんな彼でしたが、自分を貫くことで食べていけない事に悩む人達に向けた「やさしい」一面も持っていたようです。

ほぼ日刊イトイ新聞」に岡本 太郎 生誕100週年を記念して、糸井 重里さんと平野 暁臣さんが行った対談が掲載されています。そこにこんな話があります。

ある時、芸術系の学生を相手に太郎さんが講演をしたときの事です。若い学生からこんな質問が出されました。

「先生がおっしゃることはよくわかるんですけど、それじゃあ、芸術じゃメシが食えないじゃないですか」。

それについて太郎さんは、こう答えたのだそうです。

「そうか、君は食えないのか」。

そして「よしわかった、俺んちに食いに来い」といって、その学生を家に呼び寄せてカレーライスをご馳走しました・・・(笑)。

カレーライス
(画像URL:illust-AC 様:ランブリングマンさん)

でも、この話にはこんな背景が隠されているのです。

なんと太郎さんが学生にカレーライスをご馳走したころ、彼は非常に貧しい状態で、まさに自分自身が「明日食うのにも困る」状況だったのです。

「お金に余裕」があるから「ご馳走した」のではなく、自分さえも食べていけない状態だったにも関わらず、ご馳走をしたのです。

自分を曲げずに貫いて、それで死んでしまうなら大いに結構。死んだように生きるよりも、生き生きと輝いて死ぬんなら、その方がマシじゃないか!。本の中からは、彼のそんな叫びが聞こえてきます。

死んだっていいじゃないか。死ぬことが怖かったら、ほんとうに生きることはできない。ただこの世に生まれてきたからという、惰性でいきているやつは、生きている意味なんか無いよ

彼はそう書いています。

『人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向って自分がどれだけ挑(いど)んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。』
岡本太郎 岡本 太郎:芸術家

死を恐れて尻込みせずに、死と対面して対決する事で、逆に自分の中から燃え上がるような「生命感」を出していく。まさに、そんな生き方をした人でした。

そうはいっても、やっぱり死ぬのは困ります・・・。でも「売る」ために何かを作るようなことはしたくない。

・・・ではどうするか?・・・。

はい。実はいま、大いに悩んでいます(苦笑)。

苦し紛れに思いついたのは「バスコ・ダ・ガマ作戦」です(笑)。以前の記事「人生という名の航海」で紹介したガマ先生です。

コロンブスのように、あるいは太郎さんのように、インドへ向かう最短距離を目指して「陸地が見えない西の彼方」に船をだす勇気はありません。・・・残念ながら・・・。

でも(時間はかかりますが)大陸沿いに船を進めて、インドを目指すことならできそうです。途中途中で補給をしながら、それでも諦めずに「喜望峰」を回ってインドを目指すのです。

バスコ・ダ・ガマになるのだって勇気が必要なんです。

それでも、安全な港町の酒場で「俺もいつかは、でっかい事をしてやる」とか「あいつインドを目指すらしいぜ、プププ・・・馬鹿みたい」と息巻いている「船を出さない航海士」たちよりはずっとマシな筈です・・・(汗)。

ま、インドにつくか難破するかは別なんですけどね・・・(笑)。

太郎さん流に言うなら「インドに着くなんて最初から期待するな。着かなくたっていいじゃないか。そんなことより ”本気で生きる” ために航海を続けろ」とでもなるでしょうか。

さて、あなたはどうしますか。今日も死んだように生きながらえますか?。それとも、死に飛び込んで活路を開きますか?。

太郎さんのように熱く純粋に生きることは、なかなか難しいですが、私も彼の考え方を1つでも多く参考とし、生きるエネルギーを借りながら前に進みたいと思わせて頂きました。

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:死に立ち向かい自分を貫く中にこそ、生きる感動がある
今日の箴言:
岡本 太郎:芸術家
山田かまち:詩人
今日の書籍:自分の運命に楯を突け:岡本 太郎:株式会社 青春出版社
今日の写真:new-york-art.com 様:岡本 太郎 作:「顔Ⅳ」

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