こんにちは、MSLABOです。
変態・・・異性だけじゃなくて同性に言われても傷つく言葉です(笑)。いっぽうで「ヘンタイ」は、サブカルチャー(アニメや漫画など)の世界では、いまや世界の共通語となっています。
今日のポイント
あなたヘンタイね!
「変態」とは何でしょうか?。
変態というくらいですから「普通じゃない人」なのでしょう(笑)。仮にそうだとするなら、逆に「普通とは何か?」を考えてみると、変態についていろいろな気付きがあります。
それでは「普通の人」とは何でしょうか?。いろいろな意見があるかと思います。
- 標準的な考えをもっている人
- 標準的な趣味趣向をもっている人
- 標準的な性癖をもっている人
- 標準的な身長、体型、髪型、服装をしている人
- 標準的な経験をしている人
- 標準的な収入や生活レベルを維持している人
まだまだありそうですね。
ところで、このように列挙してみると普通であることに潜む「標準的な」という「あいまいさ」に気が付きます。
なにをもって「一般的」だとか「標準的」と呼ぶのでしょうか?。統計学的なデータを元に、一般や標準を判断している人は、ほとんどいないでしょう。
つまり私達の「一般的」とは、「なんとなく、よく見聞きする。自分の周辺でよくある」程度の感覚でしかないと言えそうです。
(画像URL:photo-AC 様:いおスタさん)
さらに
- ユニークな考え方をしている人 (例:発明家、起業家)
- 貴重な経験をしている人 (例:探検家、苦労人、特殊な職業の人)
- 並外れて高学歴だったり高収入な人 (例:学者、医者、大富豪)
- モデルのような美しい体型や容姿をもつ人 (例:芸能人、アイドル)
だって、「世間一般の標準的」な範囲からはずいぶんと外れています。でも憧れることはあっても「変態」と呼ばれる事はありません。・・・何故でしょうか?。
それは上記のような人を、私達が許容している(受け入れられる)からではないかと思うのです。
しかし「他人の個性」を受け入れられるかどうかは、まったくもって1人1人の考えや経験に依存します。
異性(女性や男性)が大好きな人もいれば、大嫌い(苦手)な人もいます。お金持ちに憧れる人もいれば、嫌っている人もいます。安定志向の人もいれば、冒険を望む人もいます。
こうして見てみると「世間一般的」であることも、「受け入れられる」ことも、じつに「あいまい」で「なんとなく」な感覚の問題でしかないのだと気が付きます。
青い目の猫
人と異なっている事、特殊である事を考えるのに参考となる童話があります。エゴン・マチーセンさんが書いた「青い目の猫」という話です。
ちょっと長いですが、ご存知ない方のために紹介してみたいと思います。
むかし、ある所にお腹をすかせた青い目の猫がいました。
青い目の猫は「ねずみの国」を探す旅にでかけることにしました。そこに行けば、お腹いっぱいネズミを食べることができるからです。
旅にでると、やがて大きな湖につきました。
猫は湖の魚に「ねずみの国を探しています。ご存知ありませんか?」と尋ねました。ところが魚は、猫の目が青いことに大笑いすると池の中に潜ってしまいます。
旅を続けていくと、今度はハリネズミに出会いました。
猫はハリネズミにも「ねずみの国」について聞くことにしました。ところがハリネズミは、猫の目が青いというだけで、口をきこうともしません。
さらにどんどん歩いて行くと、黄色い目をした5匹の猫に出会いました。青い目の猫は、彼らにも「ねずみの国」について聞きました。
黄色い目の猫たちは、青い目の猫の顔をみて「フン」と鼻を鳴らすと、「探したけれど、見つからなかったよ。そんな国なんて、ないんじゃない?」と答えます。
青い目の猫は自分1匹で「ねずみの国」を探しても見つかりそうにないと思い、黄色い目の猫と一緒に暮らすことにしました。
ところが黄色い目の猫たちは、青い目をした猫が奇妙で好きになれません。そして「普通の良い猫は、黄色い目をしているものだ」と言うのです。
青い目の猫はしょんぼりすると、近くの池へと出かけました。池の水に自分の顔を写し出して、よく見てみようと思ったからです。
池に自分の顔を写してみると、そこには青くて、美しくて、キラキラと輝く宝石のような目をしたカワイイ猫が微笑んでいます。
(画像URL:pictures collection様)
「自分はちっとも変じゃない」。
青い目の猫は気を取り直して、黄色い目の猫のところへ戻る事にしました。
戻ってみると、黄色い目の猫たちは大きな犬に吠えられて、高い木の上に登っています。犬が怖くて、木の上でブルブルと震えているのです。
犬がひときわ大きな声でほえたとき、青い目の猫は思わずビックリして飛び上がってしまいました。そして、なんと犬の背中のうえに落ちてしまいます。
驚いたのは犬の方です。ビックリした犬は、野を超え、谷を超え、一目散に駆け出します。
気が付くと、青い目の猫は広い草原にいました。そこは、たくさんのネズミが住んでいる「ねずみの国」だったのです。
(画像URL:illust-AC 様:sachimayoさん)
お腹いっぱいネズミを食べて満足した猫は、黄色い目の猫のところに帰ることにしました。
戻ってみると黄色い目の猫たちは、まだ木の上から降りることができずに震えています。
青い目の猫は、「もう、犬はいなくなったよ。それに僕は「ねずみの国」を見つけたんだ」と言いますが、黄色い目の猫は誰も信じてくれません。
青い目の猫がやさしく話をし、「ねずみの国」に案内するよと言うと、ようやく黄色い目の猫たちは木から降りてきます。そして口々に「もしも嘘だったら、しょうちしないからな」とつぶやくのです。
青い目の猫は、黄色い目の猫といっしょに「ねずみの国」に行くと、そこでネズミをたくさん捕まえて食べました。
それまで青い目の猫を嫌っていた黄色い目の猫たちは、今度は青い目がとても綺麗だとほめました。
この話は「絵本を読むと「天職」が見つかる:中越 裕史:廣済堂出版」で、中越さんの本に紹介されていた話です。それを少し改編して掲載しました。
黄色い目の猫たちに、なんだかムカっとします(汗)。排他的で臆病で、自らリスクをとりもしないのに結果だけを期待する。そのくせ利益があるとみるや、手のひらを返したように評価を変える。
でも、私たちは本当に黄色い目の猫たちを笑えるでしょうか?。
自分たちとは見かけが異なる青い目の猫を、個性的で素敵だと受け入れることができるでしょうか?。馬鹿にされることを恐れて、ついつい人並みで平均的な事を選択してはいないでしょうか?。
中越さんは本の中で、こう書かれています。
「「普通」であることが幸せ。「平均」であることが正しい。この固定観念にしばられていると、自分にとって何が本当に大切なのかを見失います」。
また、こうも書かれています。
「僕には「普通」であることよりも、もっと大事なことがある気がします。変わり者でも平均以下でも、自分が納得できる生き方のほうがいい」。
『みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。でもそれが私の成功の鍵。みんなと同じ格好をしなかったからよ。』
ココ・シャネル:女性ファッションデザイナー
本当の変態とは?
中越さんの本に限らず「自分の大好きなことを仕事にした方がよい」と、自己啓発書などには良く書かれています。
でも「自分の好きなこと」を仕事にするためには、当たり前ですが自分が何が好きか、あるいは何が嫌いかを把握していないと始まりません。
「ぼくらの仮説が世界をつくる:佐渡島 庸平:ダイヤモンド社」に自分の好き嫌いを把握する事について、佐渡島さんがこんな事を書かれています。
「好き嫌いがわかっているというこのは、自分の欲望のあり方を正確に把握しているということ」です。
また、こうも書かれています。
「「変態とは目を閉じて花びんの形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞり、その正確な形をつきとめた人達のことである」。表現は、自分の好き嫌いを理解していないとできません」。
佐渡島さんはサラリーマン時代に、講談社で漫画の編集者をしていて、宇宙兄弟で有名な小山さんの作品も手がけられていました。
宇宙兄弟では、最初のうちストーリーの展開(ネーム、コマ割り)について細かくアドバイスをする事があったそうです。しかし作品が進むにつれて、どんどんストーリーが良くなり、指摘する事が無くなったのだとか。
短い間になぜそんなにストーリーが上達したのか?。
佐渡島さんによると小山さんは最初、「読者に面白く思ってもらえる話を作らなきゃ」と思ってストーリーを考えていたそうです。
ところが途中から、読者がどんな展開だと喜ぶかな?と考えるよりも、自分の好きな展開だけを入れていくように変更しました。するとストーリーがどんどん面白くなり、読者のウケも良くなったのです。
(画像URL:illust-AC 様:watenギャラリーさん)
よく考えて見れば、そもそも私たちは、もともと個性的な存在です。
だれとも違うDNAをもち、だれとも違う経験を積み、だれとも違う好みを持っています。双子の兄弟でも、微妙に顔つきが異なります。そう考えると「なにもかもが平均的で普通」な人など存在しないのではないかと思えます。
みんなが個性的。極論をいえば、生まれつき一般的などではない変態なのです。
そうであるなら、平均や一般や普通にこだわるよりも、自分の好き嫌いに素直になって、まっすぐに変態を楽しんでみるというのは、いかがでしょう?(笑)。
『公爵夫人はほかにもいたけれど、ココ・シャネルはただひとり』
ココ・シャネル:女性ファッションデザイナー
逮捕されちゃうような変態は困りますが(汗)、自分の好き嫌いにはこだわっても良いのではないか?。個性的なのは当たり前と、他人の相違は受け入れてあげるべきではないか?。
2人の著者の本を読み、そんな事を思わせて頂きました。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:まっすぐ素直な変態でいこう!
今日の箴言:
ココ・シャネル:女性ファッションデザイナー
今日の書籍:
絵本を読むと「天職」が見つかる:中越 裕史:廣済堂出版
ぼくらの仮説が世界をつくる:佐渡島 庸平:ダイヤモンド社
今日の写真:集英社コミック文庫 様:あんど慶周 変態仮面