こんにちは、MSLABOです。
町や電車の中で見かける広告の宣伝文句には、一流のコピーライターが作成しているだけあって、時々ドキッとするような秀悦なものがあります。
東京から名古屋へ帰る新幹線の中にも、そんな広告が掲載されていました。TMEIC(ティーマイク:東芝三菱電機産業システム)の広告です。
TMEIC社のロゴを意識したコスチュームに身を包むアメリカンヒーローっぽい男が、一面水(海?)のような場所にたたずんでいます。ヒーローを意識した広告のくせに、その内容は「悪い人になろう!」・・・・なんか素敵です(笑)。
(企業URL:TMEIC社 TMEICMAN)
悪者といってもダークヒーローではなく、「あきらめの悪い存在」になろう!という事のようです。TMIEC社は困難な状況や、もう無理だと言いたくなるような場合でも、愚直に技術開発に取り組んできたそうですが、そんな社風を全面に出した広告になっています。
私はTMIEC社の事は全然詳しくないですし、その関係者でもありませんから、TMIEC社が本当に「あきらめの悪い」会社なのかどうかはわかりません。
しかし困難な状況やリスクがある案件を目の前にすると、「損をするのはイヤだ」「責任を取りたくない」「儲からないものはやらない」と、直ぐに撤退を決め込む「見切りの速い」会社が多いように思います。
個人的な経験で申し訳ないのですが、先日とある先進的な技術案件について、業界各社に紹介をするビジネスショーに、展示側として参加する機会を頂きました。
ビジネスショーですから、展示各社が「まだビジネスとして確立はできていないけど、ちょっとおもしろそうなもの」を展示します。どの案件もすぐに利益がでるとか、儲かるなんてものではありません。でも、「もしかしたら・・・」という可能性を秘めています。
私達のブースにも、沢山の業界各社の偉い人に訪れて頂きました。しかし(大変失礼ではありますが)「見切りの速い」人が多いことに驚かされました。
「こんな事ができるようになるかもしれません。面白いと思いませんか?」と紹介をさせて頂いても、必ず「コストが見合わない」とか「まだ、時期尚早だよね」と言われてしまいます。私の紹介がヘタクソなのもありますが、なんだかなぁという感想を持ちました。
第一、ビジネスとして確立して、みんなが「いいね!」と言うようになってから参加したのでは、「遅い」のではないでしょうか?。
そんな市場は、競争が激しいレッドオーシャン状態に陥ってしまい、損も少ない代わりに利益も得られないのではないかと思うのですが、どうも日本の多くの経営者の皆様は、そうは考えないようです。
『絶対に失敗しない人というのは、何も挑戦しない人のことです』
イルカ・チェイス:アメリカの女優
「往生際が悪い」「あきらめが悪い」「カッコ悪い」・・・。どの「悪い人」も目先の利益を最優先するのではなく、人気に左右されるのでもなく、愚直に将来を見据えて、自分の信じた物事に取り組む人のように思えます。
「もしも、そんな努力や、かけたお金が無駄になったら?」と問われたら、きっと、そんな悪い人たちは「その時は笑ってごまかすさ」と言うのでしょう(笑)。
秀悦な広告といえば、むかしFaceBookで広まったホンダ(本田技研工業)の広告も素晴らしかったです。
以下、全文です。
がんばっていれば、いつか報われる。
持ち続ければ、夢はかなう。
そんなのは幻想だ。
たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てやしない。
たいて い、夢はかなわない。
そんなこと、現実の世界ではよくあることだ。
けれど、それがどうした?。
スタートはそこからだ。
技術開発は失敗が99%。新しいことを やれば、必ずしくじる。
腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。
さあ、きのうまでの自分を超えろ。きのうまでのHondaを超え ろ。
負けるもんか。
超絶かっこいいと思いませんか?。
まさに「あきらめの悪い人」ですよね(笑)。
『成功者は、例え不運な事態に見舞われても、この試練を乗り越えたら必ず成功すると考えている。そして、最後まで諦めなかった人間が成功しているのである。』
本田 宗一郎:本田技研工業創業者
こんな広告を出せるホンダは、創業者の本田 宗一郎のスピリッツを今でも脈々と伝えているのかもしれません。
先のTMIEC社広告には、こうも書かれています。「あきらめの悪い人って、あきらめない人、とはちょっと違う」。
自分に向いていない、才能がないとわかった領域からは潔く撤退する。でも「もしかしたら、いけるかも?」という領域は、「しぶとく、あきらめない」で続ける。
「もしかしたら、いけるかも?」なのか「これは、向いていない」かを見極めるには、とにかく興味が沸いたら「チャレンジ」してみるしかないですよね。何事も、やってみなければわかりません。
以前読んだ「逆転スィッチ!:西沢 泰生:角川フォレスタ」に面白い話が紹介されていました。工事現場などで作業をする「とび職」の人たち。時として命綱もつけずに、目もくらむような高い場所で作業をする彼らは、いつも「死」と隣合わせです。
そんな、とび職の親方が紹介してくれている話です。万が一、高いところから落ちてしまった時でも、九死に一生を得る方法があるのだそうです。なんだか、おわかりになりますか?。
それは・・・
「落ちている時も、(生き残ろうと)必死にジタバタすること」。
たとえ「もうダメだ」という時も、生き残るわずかなチャンスを探してジタバタする。そうすると、偶然何かに引っかかったり、つかまる事ができて助かることがあるそうです。
カッコ悪いとか言っている場合じゃないですよね。潔くあきらめたら、そこで終わりです。
さて、あなたは行動する前からあきらめる「見切りの良い人」でしょうか・・・、それともジタバタもがいてみる「あきらめの悪い人」でしょうか?。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:あきらめが悪い人になろう!
今日の箴言:
イルカ・チェイス:アメリカの女優
本田 宗一郎:本田技研工業創業者
今日の書籍:逆転スィッチ!:西沢 泰生:角川フォレスタ
今日の写真:photo-AC様 :きなこもちさん