寄り道を楽しもう

こんにちは、MSLABOです。

長かったゴールデンウィークも明けます。明日からはまた電車に揺られて出勤です。ところで、あなたはいつもの駅までの道、最短距離で1分でも早く着くように歩いたりしていませんか?。

効率重視は吉安近短。少しでも安く、近く、短く・・・私達は日頃からなんでも合理的に、少しでも効率的に無駄を省いて物事を進めようとしてしまいます。

会社に行く道なら「いやいや」ながらといった所でしょう。でも同じ道でも家路へ急ぐ道の場合はどうでしょうか?。少しでも早く帰りたいと思います。ちょっとでも余計な道を行こうものなら、なんだか損をしたような気分にさえなります(笑)。

朝のせわしない出勤時ならいざ知らず、帰り道くらいはのんびりと景色を楽しみながら歩いても良い筈です。しかし、いつの間にか「目的地」を目指して、猪突猛進。脇目もふらずに、いつもの道をいつものように歩いてしまいます。

どこかに旅行に行く場合でも、似たような具合では無いでしょうか?。
朝XX時にホテルを出発し、YYを見てからAAでランチを取る。その後は有名なBBに寄って観光し、最後はCCでディナーを食べる。そんな具合にびっしりと計画を立て、スケジュールを組んだりはしないでしょうか?。

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(画像URL:freePik.com 様)

婚活でも就職でも、生真面目な日本人は、計画を立てて予定通りに物事を進めるのが大好きです。
あなたは幽霊かもしれない
パッとしない私が、「これじゃ終われない」と思ったときのこと:上田 紀行:幻冬舎」に、こんな話が紹介されていました。

アメリカの人類学者カルロス・カスタネダが、インディアンの呪術師からこんな話を聞いたそうです。

呪術師いわく。
「今日も沢山の幽霊に出会ったよ。彼らはひたすら目的地に着くことだけを目指して歩き、周りの風景をまったく見ていないんだ。でも歩くということは、1歩1歩の充実が積み重なって目的地に着くことであって、ただ目的地に着くことが目的じゃない。それがわかっていないから、彼らは幽霊になるのさ」。

インディアンは「歩く」と表現をしていますが、(当然ながら)道を歩く事そのものを指しているわけではありません。道は道でも「人生の道」を歩く姿を語っています。

目的を素早く達成する事が最善で、寄り道なんてもってのほか。計画通り進めるのが当然。結果が全てであって、いかに効率的に結果を出すかが最優先。そんな優等生的な現代人の生き方を、インディアンは「目的地に着くことだけを目指して歩いている幽霊」と言ったのです

旅なら予定など立てずに、目的地さえも「あいまい」な状態で、ぶらりと旅情を楽しむ。あちらこちらに寄り道しながら、その場その場の名物を味わい、景色を眺める。そんな「ぶらり旅」には、型にはまった観光ツアーでは味わえない趣(おもむき)があります。

計画通りに効率よく観光地を回るツアーが悪いわけではありません。しかし、その土地を本当に知るには不十分でしょう。観光客がよく行く場所に計画通りに滞在するよりも、ぶらりときままに町並みを楽しまなければ、その土地の良さも人間模様も味わうことができません。

それでは人生という旅ではどうでしょうか?。目的を決め効率的に進むだけが善なのでしょうか?。目的のためには無駄を省くべきなのでしょうか?。効率的に無駄なく進んだ結果、誰よりも出世したり高い給料がもらえるようになるかもしれませんね。でもそれは「幸せ」なのでしょうか?

『人間生活にはムダなものがかなりあるが、そのムダなもののために情緒が生まれ、うるおいができ、人の心がなごむようなものがある』
遠藤 周作 遠藤 周作:小説家

脇道は素敵
上田さんは先の本で、学業優秀なエリート学生と勉強ができない成績下位の学生を呼び、次のような実験をした例を紹介しています。

顕微鏡のように両目で覗く機械を用意し、左右の目に別々の絵が見える状態にします。
そして、被験者(実験に参加する人)が機械を覗く時に、試験官が次のように指導します。
「今から機械を覗きますが、左目で見える画像だけを覚えてください。」

しばらく機械を覗かせた後、左目で見える画像だけを覚えなさいと言ったにも関わらず、試験官はこう質問するのです。「右目で見えた画像は何でしたか?」。

この質問に、大半の成績が優秀な学生は答えられなかったそうです。なぜなら、「左目で見える画像だけを覚えてください」と言われたので、右目から入ってくる情報をシャットアウトしてしまったからです。

一方で、多くの勉強ができない成績下位の学生達は、ちゃんと答えられたのだとか。彼らは「左目で見える画像だけを覚えてください」と言われたにも関わらず、「脇目」を振って(つまり、さぼってw)右目の画像にも注目していたからでした。

旅の過程を楽しむ
上田さんは書かれます。
合理的な道から不意にそれてしまったようなとき、前者のような「それ以外には目もくれない」生き方より、後者のように「よそ見」をして、他にも目を向けていたかどうかが重要になってくる」。

目的を立て、計画的に物事を進めることは良い事です。
しかし、あまりにも効率的に結果だけを求めて直進し過ぎると、私達は心の潤いを失い「幽霊」になってしまいます

『幸福ばかりの状態というのはパンばかりの食事のようなものだ。食えはするがごちそうにはならない。無駄なもの、無用なもの、余計なもの、多すぎるもの、何の役にも立たないもの、それがわしは好きだ』
ヴィクトル・ユーゴー ヴィクトル・ユーゴー:詩人

車のハンドルやブレーキでも、「あそび」と呼ばれる「余裕」が必要です。
あなたの心には「あそび」はあるでしょうか?。効率や結果ばかりを目指して、幽霊になっていませんか?。

目的地に向かう旅路で、道の脇に生えている草花の美しさに目をとめる余裕が、人生を豊かにするのだと、気が付かせていただきました

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:寄り道を楽しむ余裕を持て!
今日の箴言:
遠藤 周作:小説家
ヴィクトル・ユーゴー:詩人
今日の書籍:パッとしない私が、「これじゃ終われない」と思ったときのこと:上田 紀行:幻冬舎
今日の写真:illust-AC 様:sachimayoさん

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