ぬるま湯から飛び出せ!

こんにちは、MSLABOです。

企業にいると年頭や月初の訓示で、社長や会社の偉い人から変革(イノベーション)が語られることが良くあります。変革とは、旧来のやり方を打ち壊して変更していく事ですよね。

ところが、(社長には大変申し訳ないのですが)多くの企業にとって変革は、「言うは易く、行うは難し(言うことは簡単だけど、実行しにくい事)」なのではないかと思います。

旧来のやり方が「明らかに時代遅れになっていたり、間違えている」と、みんなが広く認識している場合は話が別です。あるいはベンチャー企業などで、とにかく前進とチャレンジが求められる場合も例外でしょう。

ところが、ぞれなりに上手く機能している組織や、業績が安定している会社では、「変革」する事は「おおきな意志の力と労力」がいることだと思うのです。

なぜか?。
それは、人がだれしも未知なるものに不安を抱き、不安を解消したいと思う生き物だからです。不安定な状況を嫌い、安定を求める傾向があるからだとも言えます。その意味で、先ほど例外として挙げたベンチャー企業を起こす人たちは、私に言わせれば驚くべき人たちだと言えます(笑)。

これは何も企業活動に限った話ではありませんよね?。
「これから就職しよう」とか「何かに取り組もう」といった際には、ついつい「安定している会社がいいなぁ」とか、「中小企業や零細企業よりも、大企業の方が安心できる」などと考えてしまいます(汗)。

また「知らない土地へ引っ越した」場合はどうでしょうか?。
私のような田舎育ちですと、進学しても顔見知りの同級生がたくさんいる環境から劇的に変わることが少ないです。しかし都会では、「新しい学校では、知り合いがほとんどいない」なんて事もあるかと思います。

そんな時は、期待も感じるけど不安も感じる。
なんだか「居心地の悪い感じ」、「ここは自分がいる場所ではないような気」がする。

そして不安を感じれば、なんとかそれを解消したいと思うのは、自然な事です。
・一流企業や大学など、名前の通った(安定した)場所に所属する
・貯金をする
・友達や知り合いを作る
・行きつけの店を確保する
・ルールや規則を守り、目立たないようにする
どれも(極端な見方をすれば)「不安を解消し、安定を求める」活動と、捉えられます。

つまり、必要に迫られた状況(生きるか死ぬかなど)以外で変革する事は、私達の安定を求める自然な思考に逆らう事になるので、心理的なブレーキがかかるのです。

『生きるということにおいて、最も人間が求めているのは、「安全」と「安心」と「安定」である』
新津 靖 新津 靖:環境工学者、工学博士

安定を望む気持ちは非常に共感できます。私もその1人だからです。
しかし「本当の安定」などというものは、私達が生きている間は存在し得ないものではないでしょうか?

学校や会社に慣れた頃に、次の受験や移動、転勤がやってくる。仲良い恋人や友達とケンカをする。予期せぬトラブルに見舞われる。
その度に、安定した状態から不安定な状態になり、ジタバタ苦しむ事になります。

それでは偉人たちは「不安定な事」をどのように捉えているのでしょうか?。
人間は自分が考えているような人間になる:アール・ナイチンゲール:きこ書房」でアールは次のように書いています。
安定とは生まれる前と死んだ後にしかない(中略)不安定こそ人間の本来の姿である

そして不安定な事を「人間に自立性を与えるものである。人生に生きがいと課題を提示してくれるものなのだ」と指摘しています。
また、この事を的確に言い表した次のような偉人の言葉があります。

『船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。一定量の心配や苦痛、苦労は、いつも、だれにも必要である。』
アルトゥル・ショーペンハウアー アルトゥル・ショーペンハウアー:哲学者

人生という航路を進むには、安定や安心だけではダメだといのです
一定量の不安、苦痛、苦労を抱えつつ、その不安定な現実を乗り越えようと努力する所に、人生の意義があると偉人は指摘されているように思えます

(公務員の方にはいささか申し訳ないのですが)言われたことしかしない、前例主義で例外を認めない、チャレンジや改革意識がない仕事ぶりを「お役所仕事」などと批判します。潰れる心配の無い組織にいると(つまり長らく安定した中にいると)、現状維持が何よりも大切な仕事になってしまう好例では無いでしょうか?。

世のサラリーマンよりも不安定な(人気に左右される)職業と思われるタレントで活躍をされている有吉さんが、こんな事を言われています。

『メンタルなんて不安定で良し!』
有吉 弘行 有吉 弘行:お笑いタレント

いま、あなたの状況は不安定でしょうか、それとも安定しているでしょうか?。
安定に安穏(あんのん)とせず、不安定を必要以上に恐れず、人生にチャレンジし続けているでしょうか?

安定した「ぬるま湯」につかっていたいと思う私も、ドキッとする所です。
不安定を必要以上に恐れずチャレンジする・・・私も頑張ってみたいと思います。

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:安定と不安定のハザマに人生はある
今日の箴言:
新津 靖:環境工学者、工学博士
アルトゥル・ショーペンハウアー:哲学者
有吉 弘行:お笑いタレント
今日の書籍:人間は自分が考えているような人間になる:アール・ナイチンゲール:きこ書房
今日の写真:illustAC 様:kotobukingdomさん

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