こんにちは、MSLABOです。
何かを生み出したり創りだす職業に携わっていると、よく「オリジナリティって何?」という問題にぶつかります。オリジナリティの事を日本語では独創性などと言いますが、オリジナリティって何なのでしょうか?。
SMAPの歌「世界に一つだけの花」ではありませんが、私達はもともと個性的な存在です。同じDNAをもつ存在は古今東西、人類史上どこにもいませんし、これからも登場しないでしょう(一卵性双生児の方や、クローン人間がいれば話は別ですが・・・)。
ちなみに小学生の頃、クラスに一卵性双生児の男の子がいました。
一卵性双生児とは、もともと1つだった受精卵が何かのキッカケで2つに割れてしまい、それぞれが正常に成長して、別々の子供になって生まれてくる現象を言います。
ですので2人のDNAは全く同じになります(正確には、一卵性双生児でも異なるDNAになる場合があるそうです。興味のある方はWikiなどを参照下さい)。
そのせいか、彼らは本当に瓜2つで小学生の頃は殆ど見分けがつきませんでした。しかしそんな2人も、中学、高校と進むにつれて他人の私達から見てもハッキリと区別がつく容姿と個性をもつ存在となりました。
同じDNAを持ち同じ家庭で育っても、何がそうさせるのか(環境なのか、魂なのか、意思や考え方の違いなのか、はたまた別の何かなのか)はわかりません。しかし、同じ性格や容姿のまま育つものでは無いのだと、いまさらながらに思います。
(写真URL:Gigazine 様)
一卵性双生児ではなくても、同じ時代、同じ国や地域に生きる私達には沢山の共通点があります。
同じ文化に触れ、同じような教育を受けます。その結果、似たような考え方や常識をもち、似たようなものに好意を抱きます。ですから何かを創造したり考えると、他の誰かと似てしまうのは避けられそうにありません。
クリエィティブな世界で活躍された偉人たちは、オリジナリティについてどのように考えていたのでしょうか?。
ジャングル大帝や鉄腕アトム、ブラックジャックなど数々の名作を世に送り出した漫画界の巨匠である手塚 治虫さんは、「マンガの描き方―似顔絵から長編まで:手塚 治虫:光文社」で次のように書かれています。
「物語は、はじめのうちは借り物でもいいからつくってしまう。 そこに自分の経験や思い、想像を肉付けしていけば、たとえ真似したものでも奇妙に物語が新しくなってくる。」
(画像URL:虫プロダクション株式会社 様)
リボンの騎士 |
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ジャングル大帝 |
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『一人ひとりの人間は、すべて他の人間の肩に乗っています。だから、声高にオリジナリティーを主張するのは、間違いなのです』
ピーター・ミッチェル:生化学者
つまり巨匠のような天才であっても、最初から独創的なものが作れるわけでは無かった。
なんだか、ちょっと安心してしまいます(w)。
また、同じく漫画界の巨匠である藤子不二雄さんが、その言語録「藤子・F・不二雄の発想術:ドラえもんルーム:小学館」で、アイデアを出す事について次のように語って見えます。
「①数多くの断片を持つこと、②その断片を組み合わせる能力を持つこと」。
特定の分野に偏らず、自分の感性を刺激する幅広い知識や興味の断片を拾い集めておく。それらが頭の中で化学反応を起こし、混ざり合い、組み替えられて、新しいナニカが生まれるのだと言うのです。
なるほど!ですね。
でも残念なことに、「アイデアは組み合わせ次第だ」とは理解できても、私のような凡才には集めた素材を組み合わせることすら難しかったりします。・・・ええ(汗)。
こんな私のような「アイデアの組み合わせを考えるのが苦手」な人にも利用できる方法として、5W1H方法があります。
5W1H方法とは、5W(Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(なぜ) )と1H(How(どのように))を組み合わせる事で、アイデアを生み出す方法です。
たとえばRPGやファンタジー物語のネタを考える例で、簡単な5W方法を説明してみましょう。まずは事前準備として、5Wに相当するキーワードの羅列を作成します。
●Who(誰が)
魔王、勇者、村人A、武器屋のオヤジ、酒場のメイド、王様、お姫様 など
●What(何を)
倒す、こらしめる、誉める、協力する、支援する、売り買いする、結婚する など
●When(いつ)
今ここで、明日にも、昨日から、近い未来、遠い未来、近い過去、遠い過去 など
● Where(どこで)
大きな城、街、街道、森、ダンジョン、教会、村外れ、丘の上 など
●Why(なぜ)
お腹が空いた、お金がほしい、恋をした、ヒマだった、ヤケになった、人助け など
こんな感じでしょうか?。このキーワードの羅列は、なるべく多くの数を用意します。
あとは、これらのキーワードからランダムに1つずつ言葉を選んで、組み合わせていきます。例えば
・Who(誰が)=武器屋のオヤジ が。
・What(何を) =協力する。
・When(いつ) =近い将来。
・Where(どこで)=森 で。
・Why(なぜ)=お腹が空いた から。
なんだ、このハチャメチャな組み合わせは・・・・・・というツッコミを回避しつつ(笑)、ここからストーリーを考えます。
例えば・・・
[武器屋のオヤジ]が武器の材料を探しに魔物の住む[森]に出かけます。
道に迷い、[お腹が空いて]途方にくれていると、目の前に森の魔物が現れます。
魔物はオヤジを助ける代わりに、村娘に恋をしたので彼女と[近い将来][結婚する]事に[協力して]欲しいと頼まれるのです・・・さてさて・・・・
といった感じでしょうか?(強引ですけどねw)。
画像URL:
・sandisk 様(※)
・photo-Ac 様:TO-TOさん、acworksさん
・シアンのゆりかご:2020/11 Linkが見つかりません 様
※現在、サンディの武器屋サイトは閉鎖されています。
天才たちは、この組み合わせるカードに相当する材料を、日々の生活の中で拾い集め蓄えていたんですね。そして、それらを組み合わせることでオリジナリティ溢れる物語を作り出していたわけです。
あなたの頭は、化学反応をおこせる材料で満ちていますか?。化学反応次第では、核爆弾を超えるようなエネルギーが飛び出すかもしれませんよ。
凄いものが飛び出したら、ぜひ形にしてくださいね。楽しみにしています。
さーて・・・私の場合は、まず材料集めから始めないと・・・かな・・・?(汗)。
名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:独創性はいろいろな知識の化学反応
今日の箴言:
ピーター・ミッチェル:生化学者
和田 秀樹:評論家、精神科医
今日の書籍:
マンガの描き方―似顔絵から長編まで:手塚 治虫:光文社
藤子・F・不二雄の発想術:ドラえもんルーム:小学館
今日の写真:illustAC 様:miyagiさん