こんにちは、MSLABOです。
私は物理が大の苦手です。今でも物理はどうにも好きになれません。そして正直言うと数学も苦手ですw。まぁ、そんな私でもIT業界でメシが食えていますので、今からIT業界を目指そうという文系青年がいたなら、数学や物理が苦手でもあまり心配する必要はないでしょう。さて、物理と言えば「物質は何で出来ているか」という長い論争と研究が古来より行われています。
『宇宙は何でできているのか:村山 斉:幻冬舎新書』は、物理が苦手な私でもかろうじてなんとか読むことが出来た(でも、理解はできませんでしたがw)本です。
本によれば、まず物質は私たちが高校で習う周期表にあるような元素から出来ているそうで、元素は今までに118種類が知られています。(余談ですが、元素が正確に幾つあるのかについては、今もって確定していないらしい?のですが・・w。)
で、元素は原子核と電子からできており、原子核は陽子と中性子からできているそうです。ここまでは、確かに昔習った記憶があります。
さらに陽子と中性子はクオークやレプトンと呼ばれる素粒子から出来ているそうです。ただし、一説に寄ればクオークやレプトンなどの素粒子は、さらにプレオン (preon)と呼ばれる点粒子によって出来ていると唱えている学者もいるそうで、なんだか複雑な世界です。
ところが私が村山さんの本を読んで一番驚いたのは、本のタイトルにもある通り「宇宙」を構成しているものについての記述でした。恥ずかしながら、この本を読むまでは宇宙は「僅かばかりの物質」と「何にもない空間」で出来ていると思っていましたが、どうやら違うらしいのです。
人類が何千年にも渡り「物質は何で出来ているか」と根掘り葉掘り観察し、研究し、計算し、「これが世界の正体だ」と考えていた原子や素粒子は、宇宙の4%でしかないというのです!。ええーー・・・っ。
では残りの96%は何かというと、23%が暗黒物質、73%が暗黒エネルギーなのだとか・・・。もーネーミングがオカルトかSFの世界そのものですw。つまりは簡単に言うと「宇宙は何でできているのかは、さっぱりわかりません」という事になります。
これについて「とんびの視点」さんのページに示唆に富んだ記事がありました。
「宇宙とは何か」「人間とは何か」という問いに対し、「それは素粒子とXXとYYだ」とか「タンパク質とDNAだ」などという答えを出すのは「いかにも科学的」ではあるけれど、私たちが知りたい内容にはほど遠いと言うのです。
私たちが「宇宙とは何か」「人間とは何か」と聞かれたら「宇宙は何故存在するのか」「人間は何のために生きているのか」という、哲学的な解答こそ求められるのであり、素粒子だのDNAだのという答えでは満足できないと。
例えるなら、現在の科学が行っている事は、ケーキショップのケーキを「カロリー」だけで語るようなもので、それだけでケーキについてすべてを語った気になっているのと等しく、ケーキの値段や、味、美しさ、それを作ったパティシエなど、むしろ私たちが知りたい側面から語っていないのだと。
この意見には「なるほど」と思わざるを得ませんでした。科学的な思考や視点は、この世界を捉える1つの確かな物差しではあるけれど、けっして万能ではない。現在の未熟な科学では語り尽くせない多くの側面に光を当てる事が人間には必要だという考えには、大いに賛同できます。
とは言う物の、一流を極めた科学者の皆さんは、非常に優れた哲学的な名言も残しています。いくつか紹介したいと思います。
一つのドアが閉まると、別のドアが開く。しかし私達は閉まったドアをずっと後悔して見つめているので、新しいドアが既に開いていることに気づかない。
アレクサンダー・グラハム・ベル:発明家、科学者
実験には二つの結果がある。もし結果が仮設を確認したなら、君は何かを計測したことになる。もし結果が仮設に反していたら、君は何かを発見したことになる。
エンリコ・フェルミ:物理学者
特にグラハム・ベルの言葉が気に入りました。閉まったドアにこだわるのではなく、どこかで開いたドアに視点を移す事で、新しい展開が生まれていく。
科学にも人生にも共通する事のように思えました。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。
今日の学び:眼前で閉まったドアより、何処かで開いたドアに眼を移せ
今日の箴言:
- アレクサンダー・グラハム・ベル:発明家、科学者
- エンリコ・フェルミ:物理学者
今日の書籍:宇宙は何でできているのか:村山 斉(幻冬舎新書)
今日の写真:ウィキペディア様
いつか書く: