Win10にCocos2d-xの開発環境を構築する(パート2)

◆哀丁・四方山話 第05話

pinch
Win10にCocos2d-xの開発環境を構築する(パート2)

ジャンル・キーワード

  • Windows 10 Mobile
  • Visual Studio 2015
  • Cocos2d-JS

結果は・・・・解決(^o^)

 

何が起こったの?

パート1につづいて、その2です。

前回の記事「Win10にCocos2d-xの開発環境を構築する(パート1)」では(D)までの手順を紹介しました。

前回紹介したインストール手順は、以下の様なものでした。

思わず長すぎて、一度の記事で紹介するのを断念してしまいましたが・・・(汗)。あと半分です。がんばりましょう・・・。

またアンドロイドのアプリケーションを開発しないために途中の手順をスキップする方も、最後の(H)だけは行う必要があります。よろしければ、参考としてください。

 

結論

(E) Android SDKを入手しインストールする

Android SDKは、Android向けのアプリケーションを作成する際に利用します。Cocos2d-xでAndroid向けのアプリケーションを作らない人はインストールする必要はありません。

1)公式サイト 様からダウンロードします

以下のサイトから最新版をダウンロードします。


AndroidSdk1

SDKは、上記ページを下の方にいった所にある「コマンドライン ツールのみ入手する」という箇所から入手できます。かなーり下の方です。

見つけたら、Windows版のダウンロードをしましょう。

AndroidSdk2
本記事執筆時点での最新版は r24.4.1 です。ダウンロードすると「installer_r24.4.1-windows.exe」のようなファイルが出来上がります。

2)インストールします

ダウンロードしたファイルを実行して素直にインストールします。

注意点としては、インストールフォルダはなるべくシンプルにする事(例えば c:\android-sdk など)と、「Start SDK Manager」にチェックを入れた状態でインストールする事です。

30-AndroidSDK_install
「Start SDK Manager」にチェックを入れた状態でインストールすると、インストール後にSDK Managerが立ち上がります。

31-AndroidSDK_install
SDK Managerは、Android向けアプリケーションの開発に必要な、様々なツールやパッケージをダウンロードしてくれるソフトです。

SDK Managerを使って、あなたの開発に必要なパッケージをダウンロードしましょう。

インストールする際にチェックをつけ忘れた方は、インストール後に「C:\android-sdk\SDK Manager.exe」を起動すれば、手動でSDK Managerを実行できます。

ここまでの作業が終わったら、WindowsのPATH環境変数に

  • C:\android-sdk\tools
  • C:\android-sdk\platform-tools

の2つを追加します。

(上記はAndroid SDKを c:\android-sdk にインストールした場合の例です。異なる場所にインストールした場合は、適時読み替えて下さい)

32-AndroidSDK_install
以上でAndroid SDKのインストールは完了です。

 

(F) Android NDKを入手しインストールする

Android NDKは、Android向けのアプリケーションをコンパイルする際に利用します。Cocos2d-xでAndroid向けのアプリケーションを作らない人はインストールする必要はありません。

SDKと1文字しか違いませんが、全然別物です(笑)。

Andoroid NDKはAndroid Native Development Kitの事で、通常はJavaで開発するAndroidアプリケーションの一部(または全部)を、C++で開発可能にするものです。

1)公式サイト 様からダウンロードします

以下のサイトから最新版をダウンロードします。

33-AndroidNDK_install
本記事執筆時点での最新版は r12b です。

ダウンロードすると「android-ndk-r12b-windows-x86_64.zip」のようなファイルが出来上がります。

34-AndroidNDK_install
Android NDKは、あなたのOSのbit数に合ったものをダウンロードすれば良いようです。

2)ダウンロードしたファイルを解凍します

解凍したファイルは、好きな場所(c:\ android-ndk-r12b など)に配置します。ただし、あまり深い階層や、日本語の文字を含むパスに置くのは避けましょう。

ここまで終わったら、WindowsのPATH環境変数に

  • c:\ android-ndk-r12b

を追加します。

(上記はAndroid NDKを c:\ android-ndk-r12b にインストールした場合の例です。異なる場所にインストールした場合は、適時読み替えて下さい)

37-AndroidNDK_install

以上でAndroid NDKのインストールは完了です。

 

(G) Visual Studio 2015を入手しインストールする

ぐふっ・・・かなり疲れてきました・・・。もう少しです(笑)。

開発ツールにVisual Studioを使う人は、入手してインストールします。Visual Studio以外のIDEを使う人には必要ありません。

1)公式サイト 様からダウンロードします

以下のサイトから最新版をダウンロードします。

ここで1つだけ重要な注意を!。

(詳しくは別記事で書きますが)ダウンロードする際に、ホームページの左上に大きく表示されている「Visual Studio Community」のボタンは使わないでください!

「今こそ本格スキルアップ! 使いやすさをあなたがジャッジ」という文字の下にある「Visual Studio 2015」というリンクを開いて、「言語を選択」で「日本語」を選んでダウンロードする事を強く推奨します。

42-VS2015_install
ええ。それはもう・・・オジサマと同じ地雷を踏みたくない方は、ぜひそうしてください。

もしかしたら今はMicrosoftによって修正されているかもしれませんが・・・、うっかりハマると・・・泣けます・・・。

ダウンロードするインストーラにはWeb版とISO版がありますが、Web版インストーラでOKです。

2)インストールします

ダウンロードすると「vs_community_JPN.exe」のようなファイルが出来上がりますので、素直にインストールします。

なお以下のことに注意してください。

  • Visual Studio 2015 は、動作するのに沢山のHDD容量を必要とします
  • 完全なアンインストールは、ほぼ不可能です

インストールするとわかりますが、なんだかいろいろなツールやパッケージを山のようにインストールしてくれます。

しかも、一度インストールしたVisual Studioを安全にアンインストールする事は至難の業です・・・(汗)。

うっかりインストールすると、完全にアンインストールできないだなんて、なんだかウィ●スのようですが・・・くれぐれも後悔しないようにしましょうね。オジサマは何度もハマりました(泣)。

インストールする際に、開発する言語やプラットフォームを選択する画面が表示されますので、あなたに必要なものを選択して下さい。

43-VS2015_install
ここで選択が漏れても、後で追加インストールできますので大丈夫です。

 

(H) setup.pyでCocos2d-xにパスを設定する

いよいよ長い道のりも最終コーナーとなりました。

上記の作業が終了したら、Cocos2d-xの基本設定を行います。コマンドプロンプトを開いて、以下のコマンドを入力してください。
c:\ cocos2d-x-3.10\setup.py

setup_py_1
(B)の手順でPythonをインストールしたかと思います。上記コマンドは Pythonのシェルで、Cocos2d-xに必要な環境変数を自動的に設定してくれるものになります。

コマンドを実行すると、Cocos2d-xに必要な幾つかの環境変数を自動的に設定してくれます。また以下の環境変数の有無をチェックし、変数が無効な場合は情報の入力が催促されます。

NDK_ROOT
ANDROID_SDK_ROOT
ANT_ROOT

各ツールを、私と同じパスにインストールした人は

  • NDK_ROOT                     : C:\android-ndk-r12b\build
  • ANDROID_SDK_ROOT: C:\android-sdk
  • ANT_ROOT                      : C:\apache-ant\apache-ant-1.9.7\bin

を設定してください。

各ツールをインストールしなかった人は、問い合わせに対して何も入力せずにリターンキーを押下してスキップすれば良いでしょう。

setup.py が成功すると、環境変数は以下のような感じになる筈です。

setup_py_2
COCOSで始まる環境変数は、setup.py が自動的に作成したものになります。

・・・やっと終わりました。ふぅ。お疲れ様でした。

 

わかった事

今回の作業で、WindowsでCocos2d-xを利用するアンドロイドアプリケーションの開発環境を整えるのは、非常に面倒くさい事がよくわかりました(汗)。

このあたりは、商用ソフトの Unity では非常に良くできています(当たり前ですけどね:笑)。

まぁ、Cocos2d-xと関連ツールは全て無償で利用できますので、多少の手間はしょうがありません。Cocos2d-xでの開発を楽しみましょう。

 


参考にさせて頂いたサイト様など

●Cocos2d-xの環境構築について
開発者ブログ – ITとゲームのあいだ 様


哀丁・四方山話一覧 へ戻る
(画像URL:illust-AC 様:wayo さん、acworks さん Free icons 様)