君を形作るもの

こんにちは、MSLABOです。

最近は医学や遺伝子工学、脳科学が発展し、いろいろな病気と遺伝子の関係が明らかになってきました。また脳の働きと心の関係も解明されてきています。

ダーウィン主義の罪悪このような進んだ医学や脳科学は時として
遺伝子が生物(人間)の優劣を決める
劣性遺伝子を持っていると病気になったり、精神を病む
脳=心。心は脳の化学反応で成り立っている
偶然と競争が生物を進化させてきた。だから強くて多く所有するのは良いことだ
といった考え方のベースとなることがあります。

確かに私達の姿形は両親や親族(親戚)に良く似ます。特定の病気は遺伝子の欠陥が原因で発生する事がわかっています。またある種の病気にかかりやすいか否かは遺伝子により左右されるとも言われています。

この「出自(氏)が全てを決める、世界は競争と偶然の産物」という考え方は、ダーウィンが進化論を唱え、遺伝子の法則がメンデルによって発見されて以来、支配的となりました。

しかし本当にそうなのでしょうか?。遺伝子や病原体が病気の発生確率を上昇させる事は確かでしょう。しかし、ある遺伝子を持っていたら必ず病気になるケースは、たくさんある病気の中でもほんの一部だと言います。

病気の原因
(画像URL:illust-AC 様:acworksさん、Ayumi*さん)

膜が鍵を握っている最前線の細胞生物学者としてスタンフォード大学医学部などで活躍したブルース・リプトンさんは、「思考のすごい力:(著)ブルース・リプトン、(訳)西尾 香苗:PHP研究所」に「出自(氏)が全てを決める、世界は競争と偶然の産物」という考え方は間違えていると述べています。

ブルースさんは細胞学者です。彼は細胞の仕組みや動きを詳しく研究する中で、DNAが細胞の動作(振る舞い)を決めているのではなく、細胞膜が鍵を握っているのだという事に気が付きます。

細胞膜とは細胞をぐるりと取り囲んでいる薄い膜で、細胞の内と外、細胞と細胞でないものを分けている境界です。しかしブルースさんによれば、細胞膜はタダの膜ではなく、細胞をコントロールしている司令塔だというのです。

DNAは細胞の中でタンパク質を作る役目を果たしています。DNAの形(塩基配列)が、どのようなタンパク質を作るのかを決めているので、時としてDNAは生物(人間)の設計図などと呼ばれる事があります。

しかしブルースさんは、DNAはあくまで設計図でしかなく、その設計図をどように使うか(設計図のどの部分を採用するか)は細胞の中にある化学物質が決定している事を発見します。さらに細胞を包む細胞膜には環境の変化をキャッチする無数のセンサーがあり、このセンサーが細胞内にある化学物質を変化させている事も突き止めます。

彼は著書で次のように記述しています。「細胞の活動はまず第一に環境との相互作用によって変化するのであって、遺伝暗号によって変化するのではない」。

言ってみれば、DNAという設計図を細胞内化学物質という大工さんが読み取って家(体)を作る。どこを読むかは大工さん次第。その大工さんは現場監督(細胞膜センサー)の言うことを聞くといった感じでしょうか?。

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(画像URL:illust-AC 様:R&Mさん)

アナタは外にいる?細胞膜にあるセンサー(レセプター)には個人差があるそうです。レセプターの形に適合する刺激が来た場合は反応し、形が合わない刺激は無視される。これが私達の個性というわけです。

ブルースさんはこれを、テレビと放送電波の関係で説明してくれています。テレビが私達の肉体です。その肉体は細胞という部品でできており、細胞表面には無数のレセプター(アンテナ)があります。

レセプターは外から刺激(放送電波)を受信し、細胞を変化させ、行動を左右します。無数の周波数を持つ電波の中から、どの電波を受信するかはレセプターの特徴に依存しています。

ある時、テレビが故障したとしましょう。

テレビが故障したので何も映りません。画面は真っ暗・・・。「うはー、テレビが壊れた」と私達は思いますが、テレビ放送が途絶えたわけではありません。ただテレビ放送が受信できなくなっただけです。

その証拠に新しいテレビを買ってきて、アンテナを正しく設定(電波を受信できるようにチューニング)すれば、また同じ放送が映し出されます。

外からもたらされる特定パターンの刺激が細胞を刺激し、細胞を変化させ、結果的に脳をコントロールする。もしそうだとすれば、外からもたらされる「私達の体が反応する固有の刺激」こそが、私達そのもの(魂?)といえるのでは!?・・・・・・。

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(画像URL:illust-AC 様:上田 ひろこさん)

理屈はわかるけど、そんな事信じられないよ・・・ですかね。私もそうでした。そんな私達に向け、ブルースさんは書籍の中で面白い事例を紹介してくれています。

脳で考えてる?1980年に、世界的な権威を持つ科学雑誌「サイエンス」に「あなたの脳は本当に必要か?」という挑戦的なタイトルの記事が、イギリスの神経科学者ジョン・ローパー博士によって提示されました。

イギリスの名門シェフィールド大学に知能指数が126ある若い学生(Aさん)がいました。ちなみに知能指数の平均(中央値)は100ですので、126はかなり優秀といえます。Aさんは数学においては主席で、日頃の社会生活も普通に送れていました。

しかしある時、Aさんを診察したローパー博士は衝撃を受ける事になります。

彼の脳をスキャンしてみると、彼には大脳が存在していない事が判明したからです。Aさんの脳には生命活動を支える脳室部分だけがあり、大脳が存在せずに、代わりに髄液で満たされていました。

大脳1(画像URL:orthoptics 様)

えええええ・・・。アンビリーバボーです。
ですが有名な科学雑誌に発表されたとなると、まったくの嘘とは言えないでしょう。

なんだか今まで自分が信じてきた世界が崩れる音がします・・・(汗)。

君を形作るもの環境(周りの自然や人)が私達の体や心を変化させる一方で、私達が環境にどんな影響を与えるか(与えることが出来るか)についても、深く考える必要がありそうです

なぜなら、私達は環境から刺激を受け取るだけの機械ではなく、環境に刺激を投げかえすことも出来るからです。

『我々は得るものによって生計を立て、与えるものによって人生をつくる。』
ウィンストン・チャーチル ウィンストン・チャーチル:イギリスの政治家

DNAが「私という存在」を形作っていると信じてきましたが、どうやら少し違うようです。
私という存在は、私の周りの環境が作り上げている。そして、私たちは自分の意思で、自分の周りに影響を与え変化させることができる・・・。

あなたは自分の周りにどんな影響を与えているでしょうか?。あなたが周りに与えたものが、やがてあなたに帰ってきます。チャーチルの言葉のように、「与えるものによって人生をつくる」わけですね。

ブルースさんの本を読むと、これが言葉のアヤ(まやかし)では無い事がわかります私たちは自分が周りに与えたものでできている。だから、私もあなたに素敵な思いを与えたい!、そんな事を思わせていただきました

名古屋:伏見のオフィスより感謝を込めて。

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


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今日の学び:あなたが与えたものが、あなたを作る
今日の箴言:ウィンストン・チャーチル:イギリスの政治家
今日の書籍:思考のすごい力:(著)ブルース・リプトン、(訳)西尾 香苗:PHP研究所
今日の写真:freepik.com 様:kreativkolorsさん

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