鬼は外?

こんにちは、MSLABOです。

2月3日は節分です。小さい頃、近所にあった尼寺で尼僧さんに大変世話になり、豆拾いをした事を思い出します。今日は節分と、節分の主役(?)の鬼について書いてみたいと思います。


Wikiによると「節分」は各季節の変わり目を示すもので、特に2月3日は春の始まりを示す春分の日の前日なのだそうです。
節分の儀式は平安時代の宮中行事である追儺(ついな)の儀式から始まったと言われています。追儺の儀式とは鬼を払う儀式で、節分に豆をまく由来は、室町時代の宇多天皇(第59代天皇)の時(西暦867ー931年頃)に、鞍馬山から鬼が出て来て都を荒らすのを、毘沙門天に祈祷して鬼の穴を封じ、炒り豆(大豆)で鬼の目を打ちつぶして、災厄を逃れたという伝説が始まりと言われています。

豆を使うのは、鬼(悪い物、魔)の目をつぶす(魔目)、魔を滅する事(魔滅)に通じるからだそうです。なんか、すごい語呂合わせですね。ちなみに炒った豆を使うのは、生の豆だと蒔いたものを拾い忘れた時に豆から芽がでるので、本来は厄払いをした筈のものから芽がでるのは縁起が悪いから、芽が出ない炒り豆を使うと言われています。

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ところで、豆を蒔いて追い払われるのは「鬼」となっていますが、鬼の起源は何でしょうか?

諸説有るようですが、有名な説として「オニ」という言葉を元々は「オン(陰)」と読んでおり、オニはオンが変化した物で、形の見えない霊のような存在をそのように呼んでいたというものがあります。調べてみると判りますが、これには反対している人や異説を唱える人も見えますので、真実のほどは定かではありません。
また古くは「オニ」ではなく「モノ」と呼んでいたという話もあります。スタジオ・ジブリの「もののけ姫」の「もの」と事と同じ意味ですね。

鬼といえば虎皮(若い女子が身につけるヒョウ柄ではありませんw)のパンツをはいて金棒をもった、赤や青の大男で頭に角がある姿を想像しますが、この姿は平安時代後期頃から室町時代にできあがったと言われています。そういえば後で書く「桃太郎」の寓話も、室町時代の作品と言われています。

鬼が虎皮のパンツと角(牛の角)を生やしているのは、神様の通り道と言われる鬼門(北東の方角)(陰陽道では鬼が出入りする方角)が、「艮(うしとら)の方角」と言われている事に由来するそうで、ウシ・トラだから牛と虎が組み合わさった姿をしているそうです。ここでも語呂合わせがすごいですw。
現在でも家を建てる際に方角を気にされる方は、鬼門の方向に不浄なトイレやお風呂場を作ってはいけないとかいいますよね。

鬼を退治する話として有名なものに「桃太郎」の寓話があります。
おばあさんが川で拾った桃から生まれた桃太郎が、人々を苦しめていた鬼退治に鬼ヶ島へ出かけ、猿、キジ、犬のお供と共に鬼を退治して、宝物を持ち帰るという話ですが、この話にも諸説あって調べてみると意外と面白いです。

ところで2013年に日本新聞協会広告委員会が「しあわせ」をテーマに実施した「新聞広告クリエーティブコンテスト」の応募作品で最優秀賞に輝いた作品に、「ボクのお父さんは、桃太郎というやつに殺されました」と言って泣いている鬼の子どもを描いた作品が選ばれた事はご存じでしょうか?。作品のタイトルは「めでたし、めでたし?」なのだそうです。

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作者によれば、「ある人にとってしあわせと感じることでも、別の人からみればそう思えないことがある。違う視点でその対象を捉えるかによって、しあわせは変わるものだと考えました」との事。深いですよね。
「鬼」は一方から見れば悪者、悪、排除すべきモノですが、他方から見れば必ずしもそうとは限らない・・・この世の中の「正義」だとか「常識」と呼ばれるものの暗黒面を鋭く捉えた作品だと言えます。鬼は里を荒らす悪者でしたが、だからといって桃太郎という暴力で討ち滅ぼしてしまう姿に違和感を訴える作者の感性にハッとさせられると共に、人間社会で戦争が無くならない理由を見たような気がします。

例えば小説(アニメ化もされました)にも、鬼を悪と見なさず実は古来から日本に伝わる八百万の神の1つとみなし、現代の若者が平安末期の鬼と朝廷(僧侶)が争う時代にワープして活躍する「鬼神伝:高田 崇史:講談社」がありますね。アニメの方を見ましたが、なかなか面白かったです。

onigami

古来の多くの寓話や伝説のように、鬼を常に悪と見なして一方的に排除しない。
暴力に暴力で答えるのではなく、話し合い、理解し合い、愛し合う。異質な者がお互いを認め合い、許し合う。そんな必要性を感じさせられる話でした
これからは「鬼は外、福は内」じゃなくて「鬼も内、福も内」と言いたいと思いました

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます。あなたによきことが雪崩のごとく起きますように。


今日の学び: 鬼も内、福も内
今日の箴言:
今日の書籍:鬼神伝:高田 崇史(講談社)
今日の写真:lllust AC様:†Judas†さん、フリーカットさん
いつか書く:

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